来年度の防衛省の概算要求が、過去最大の規模になるという記事があった。米国高官が「GDP2%は必要だ」などと発言しているが、米国の予算削減に寄与するというよりは急激に緊張度を増している日本の防衛事情が影響しているのだろう。その中でもいくつか、新しい部隊の創設が行われると聞く。
一つには電磁波を使って敵の攻撃を防ぐ「電磁波戦部隊」。これを、沖縄に配備する検討に入ったらしい。尖閣諸島をはじめ中国軍の策動が激しくなってきている海域だから、これは明らかに対中国戦を意識してのもの。古来軍事行動にはC3Iが必要だと言われている。
・Command
・Controll
・Communication
・Intelligence
の頭文字を取ったもので、相手の軍事行動の何か一つを破壊しただけでも、その戦力は急激に縮小する。命令が徹底せず、統制を失い、他の部隊から孤立して、重要な情報も来なければ、それは「烏合の衆」に過ぎない。電磁波領域での戦闘に勝つだけでも、このいくつかは達成できるように思う。
加えてサイバー戦のエキスパートを教育・配備するという記事もあった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6b144e884551b22cb38161207767228840ffa50
来年度には「自衛隊サイバー防衛隊」を発足させ、サイバー戦の要員を教育する部門も新設する。そして4年後までに部隊の規模を1,000人以上にして、ロシア軍を凌駕するようにしたいということだ。もちろん上には上があって、北朝鮮が6,800人、中国に至っては30,000人以上、その要員がいるらしい。
ただこの措置は必要なもので、さらに10倍くらいに増員してもいいと思う。なぜなら実際に戦術核ミサイルが飛び交うような事態にならないまでも、「すでに軍事行動の80%はサイバー空間で行われている」という有識者もいるくらいだ。また憲法9条はともかく、日本国民の間に根強い「反軍隊」の認識も、実際に銃を撃ち人を殺すのではない部隊ゆえ緩和されると思うからだ。
すでに台湾海峡や南シナ海などでは「常在戦場」になりつつありますから、あとはこのような部隊の実戦配備が間に合うかが問題でしょう。民間にもいるサイバー戦の専門家も活用して、とにかく早くこの分野で優位性を作ることが国民の安全につながると信じていますよ。