Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

これもグレーゾーン事態?

 戦争というのは、国家Aが国家Bに対して「宣戦布告」をして始めて、成り立つのだという。ただ宣戦布告なき「戦争状態」もいくらでもあって、9・11でニューヨークが攻撃された時に「It's WAR!」と言ったのは当時のブッシュ大統領、テロリスト側は犯行声明をしただけだ。それが(先日終了したが)20年に長きにわたる、アフガニスタンにおける米国の戦争状態を引き起こすことになる。

 

 3,000名もの犠牲者を出した米国が怒るのもわかるのだが、じゃあ人命の被害を伴わない攻撃に対してはどうなるのか。例えば無人兵器同士の戦闘に留まって、被害はあったが人命は損なわれないような場合だ。先だっての中国の航空ショーでは、無人機の展示に注目が集まった。尖閣諸島の上空で、米中の無人機同士の空中戦なんてことになったら・・・。また、サイバー空間はこれを対象とした国際条約も少ないので「無法地帯」という人もいる。

 

  習大人は今年になって「中国国防法」を改訂し、サイバー空間が軍事行動の対象エリアであることを明記している。サイバー空間は中国の「主権」領域であり、ここに攻撃が加えられれば軍事行動とみなすといっているわけだ。

 

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 日米欧ではサイバー空間の戦闘行為はグレーゾーンだが、中国ははっきり「戦時」と位置付けているような気もする。

 

 グレーゾーン事態は悩ましい問題で、特に「戦争はしない国日本」にとっては、より慎重な対処が求められる。ただ「サイバー空間の脅威」や「AI(自律)兵器による攻撃」など、対処しなくてはいけない事態は目の前にある。そんなグレーゾーン事態の新しいものと思われるのが「ハバナ症候群」。

 

ナゾの頭痛・耳鳴り・脳損傷…CIA職員ら200人超、全世界で「ハバナ症候群」に : 国際 : ニュース : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

 世界各地でCIA要員などが原因不明の耳鳴り・頭痛に悩まされているという。正体は電磁波攻撃ではないかと言われていて、さきごろ中印紛争地帯でインド兵が苦しめられたものに似ている。CIA要員ばかりがなぜ狙われるかもわからないが、脳に損傷が出ることもあるというから、少し悪質だと思う。

 

 小説・映画の中のCIAなら、攻撃者を特定(アトリビュート)して「反撃」するのですが、さてどうなりますかね。