第二次欧州大戦のハイライトである独ソ戦。二大陸棲国家が、大陸の覇権をめぐって血みどろの力比べを演じた。さまざまな兵器が(珍妙なものも含めて)登場しているが、その中に対戦車自走砲と突撃砲というものがある。この二つ、非常に良く似ていて現場では同じように扱われたが本来の用法は異なる。今回はソ連の対戦車自走砲を取り上げたい。
戦場にAFVがあふれてくると、歩兵の手持ち兵器では対応が難しくなった。初期のAFVは装甲が薄かったから、対戦車ライフルのラッキーヒットで撃退することもできたが、装甲はどんどん厚くなり対戦車砲が必要になった。バズーカ等の歩兵兵器は、接近しないと使えない。
◆SU-76
兵装: 長砲身76mm砲
装甲は「紙」のよう。(正面4、側面他1)
移動速度:16ヘクス/ターン
連射性能が高く貫徹力の強い徹甲弾を撃てるので、ドイツのⅣ号戦車くらいなら十分撃破できた。小型で発見されにくく、移動速度も早いので隠蔽された射点につくことも難しくなかった。しかしオープントップであるし機関銃も装備していないので、歩兵に接近されれば命が危ない。単独行動ではなく歩兵等の護衛を付けるべきである。もちろん小口径であっても砲を装備した敵のAFVに見つかってしまえば、助からない。軽戦車の車体に主砲を乗っけただけの、簡易な兵器である。
◆SU-85
兵装: 長砲身85mm砲
装甲はまずまず。(正面11、側面他6)
移動速度:16ヘクス/ターン
同じ「SU」と称しているが、造りはSU-76とは全く違う。ドイツの突撃砲のように、戦車の車体部分に主砲を埋め込み上面の装甲も施している。主砲の85mmはほとんどのドイツ軍戦車を葬れるもので、高射砲からの転用である。有名なドイツ軍の88mm高射砲「ハチハチ」のソ連版と思ってもいい。
◆SU-100
兵装: 長砲身100mm砲
装甲はまずまず。(正面11、側面他6)
移動速度:16ヘクス/ターン
さらに強力な100mm砲に換装したもの。破壊力は当然増したが、弾丸の大型化によって連射性能が落ち、弾丸搭載量も減ってしまった。ゲーム上では砲撃実施ごとに1/12の確率で「弾切れ」になってしまう。85mm弾が、一人の人間で装填できる限界の重さだったようだ。このAFVは中東戦争でも、アラブ側の主力AFVのひとつとして戦った。