Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本人ばかりの国際会議

  初めてトルコの地を踏み、ボスポラス海峡を眺めることになったのは、ここで開かれる国際会議に参加するため。Conradの大ホールに入りきらない350人もの参加者のほぼすべてが日本人。配られる資料も表示されるスライドも、講演者の語りも日本語だ。

 

 会議の名称は「中東現地協力会議」といい、中東エリアに駐在する日本企業の社員たちが年に一度集まる会合。日本からも霞ヶ関や産業界からかなりの人数がやってくる。参加者リストを見て、これじゃフライトが取れなかったわけだと納得した。総勢は350人にものぼる。日本からイスタンブールへの直行便はトルコ航空の1便しかない。

 

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 なぜ僕がこれに参加することになったかと言うと、この44回もの歴史を持つ会議のテーマに「デジタル経済」が初めて加えられたからである。この会議での「中東」の定義は、西はモロッコ、東はイラン、南はスーダンが入るのだが、どうしても経済的にはエネルギー系の色が濃い。紹介されるテーマとしてはエネルギー資源、原油価格などの経済、これらに影響を与える地政学的要素・・・ということになる。今回はそこにG20で主要議題になった「Cross Border Data Flows」を含むデータ活用の話が加わったのだ。

 

 主催は経産省の外郭団体である「中東協力センター」、後援も経産省で参加者にも経産省OBが多い。主催者挨拶に始まり、現地の大使も何人かやってきて駐在国の紹介をした。初日の午前中に「デジタル経済」のセッションがあって、データ活用の事例や課題について議論が行われた。サウジアラビア駐在の人が「サウジにはLocalization規制があって、データを国外に持ち出せない」と言っていた。

 

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 G20で、南アフリカ・インド・インドネシアの3国がいわゆる「大阪トラック」に反対したように途上国には、「先進国/大国にデータを搾取されるのでは」との危惧が大きい。これに対してパネリストの大学教授が、「途上国でもデータ活用ができ、その意味を知る人物がいれば、流通に前向きになる。そういうキャパシティビルディングの支援を日本政府に望みたい」といっていたのが印象的だった。

 

 目的の2時間のセッションが初日の「昼飯前」に終わった。ミッションの大半は終わったので、あとは「世界三大料理の一つ、トルコ料理」をいただきましょうかね。お腹空いた~。