Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

トランプ候補の政府解体案(前編)

 まだどう絡んでくるか分からない第三極であるケネディ候補を除けば、共和党トランプ候補、民主党バイデン候補という大統領選挙の枠組みは固まった。世論調査によると、以前トランプ候補がリードしているものの、その差は1ポイントほどに縮まっていると伝えられる。

 

 「もしトラ」の話として、NATOとの関係・中国との経済対立・ロシアとの宥和・移民制限・日本への(お金の)期待などが予想されているが、一番気になるのは米国政府への支配がどうなるかだ。立法や司法はともかく、行政府は完全にトランプ流に塗り替えられるかもしれない。それが「スケジュールF」の脅威だ。

 

トランプ氏の「スケジュールF」はアメリカ政府をどう変え得るのか?-日米の公務員制度比較を踏まえた分析- | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング (murc.jp)

 

    

 

 一期目のトランプ大統領は、とかく官僚の抵抗に悩まされたという。まあ、どちらが常識的だったかは明白なのだが・・・。そこで二期目には官僚の抵抗を弱め、独裁体制を築く(*1)ために、政治任用を拡大するという。

 

 民主的な政府なら間違いなく、政権交代が起きても官僚は大きく変わらない。それが国の安定をもたらしていて、外国政府も(政権交代を選んだ)国民も安心していられるゆえん。ただ政府の方針は少しは変わるし、変えるために行政府部署の幹部は交代する。この記事にあるように、日本では政務官など80人ほどが対象。「安倍一強」をもたらした内閣人事局支配でも、その対象となる高級官僚は700名ほどだ。

 

 それに比べ、米国の場合は4,000人ほどの政治任用者がいる。あるスパイスリラーは、現大統領に多額の献金をして大国の大使の席を得たが、能力不足で苦しむ男にスパイが甘い誘いをかけるストーリーだった。

 

 今回トランプ二期目が目指すのは、5万人ほどの行政府員を自らのシンパにすること。いわば米国政府を解体し、トランプ政府にしようというのだ。心配されるのは、上記の大使のような人がいっぱい出てしまい、米国政府が混乱することである。

 

<続く>

 

*1:もう一人の独裁者がやって来る? - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)