Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

外からだと分からないこと

 トランプ前大統領が事実上の<共和党党首>のようにふるまい、全国委員長を挿げ替えるなど「政治」を始めつつある。一杯訴追されて、賠償金も多額(選挙資金で埋めているらしい)、有罪~収監されるかもしれないのに人気を集めるのは、バイデン政権が弱いからだと言われる。

 

 確かに「ブレまくり」の様相で、最大の争点である移民問題にしても、イスラエルの非人道的な攻勢に対しても煮え切らない。その理由を米国政治に詳しい人に聞くと、2020年の大統領選挙で、左派サンダース候補と手打ちしているので(自らは中道だが)左派の意向を無視できないのだ、と教えてもらえた(*1)。

 

    

 

 これなどは外から見ていては分からないこと、勉強しなくてはねと思ったのだが、逆に外国からは日本の状況が見えていないなと思う事例もあった。それは<エコノミスト誌>の立憲民主党についての考察。

 

英誌が報道「立憲民主党の泉健太が起こす変化に世界は注目すべきだ」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

 

 自民党の自爆によって機会が巡ってきた立憲民主党の泉代表は、日本の政治家としては若く、同性婚合法化などの新時代に向けたビジョンも持っている(*2)。同党は3・11の震災対応で問題があったが、失敗から学んで現実的・大衆的な政策が用意できるという。ではなぜ支持が上らないかというと「メディアが、自民党しか力がない」という大学教授のコメントを載せて、この記事は説明している。

 

 国内の有権者の目からすると、立憲民主党はそもそも「希望の党事件」の時に排除された人の集まりだから、という危惧がある。なぜ排除されたかというと、左寄りで外交・安全保障の継続性が難しい議員だったからだ。今は全員がそうではない(泉代表も左派ではない)が、左派に気を使わなくてはいけないのはバイデン大統領と同じなのだ。

 

 ひょっとすると<エコノミスト誌>の記者も分かっていて、英国内では説明してもムダと思っただけかもしれません。Global化が進んでも、まだ情報GAPは一杯ありそうですね。

 

*1:バイデン対トランプ、見通しは五分五分 - 梶浦敏範【公式】ブログ (hatenablog.jp)

*2:要は「やりたいことは人事」の総理とは違って、政治的にやりたいことがあるということ