Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ロシア人スパイ網の役割

 ウクライナ軍の反撃は、当初の予想よりは遅れているとの見方が多い。しかし、ウクライナの軍事組織そのものがそうだったように、スラブ民族の守りに入った時の粘りは強力だ。防衛線を固める時間も十分にあったので、そう簡単にアゾフ海まで進撃することはできないだろう。

 

 ただ大国の崩壊は(小国よりも)突然やってくる。外から見ればまだまだ粘れると感じられても、内部が砂時計のように崩れ始めていることもあるからだ。そろそろ各国は、

 

プーチン体制の終焉

・ロシア全体の液状化

 

 のことを心配しなくてはならない。プーチンに替わる誰かが出て来て、ウクライナはじめ西側諸国と休戦してくれるならいいが、それは希望的に過ぎるだろう。最悪、社会全体の液状化という事態を招くかもしれない。そうなったら、中国やインドにも協力してもらって、市民の命を守る支援や秩序を取り戻してからの復興をしなくてはならない。

 

    

 

 日本としては北方領土問題を解決したい思いがあるだろうが、中国だって黒竜江省などでの紛争地回復を考えるだろう。もっと積極的に、シベリアまで踏み込むかもしれない。一番心配なのは、1,500発はあるという戦略核兵器などの大量破壊兵器。これがちゃんと管理できるかは、世界の平和に直結する課題。北朝鮮はもちろん、中国だって「管理」の名目で確保に動くだろう。

 

ロシア人はスパイ活動に協力を、英MI6長官が呼びかけ|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 先日CIAがロシア人スパイを募集する記事があり、今回はMI-6が同様の募集を掛けている。一見するとプーチン体制打倒のためのスパイ網整備が目的に見えるが、そんな近視眼的なものではなかろう。大量破壊兵器や国境線問題を無難に収めるための、新しい情報網の構築を考えてのものだろう。CIAもMI-6も、それなりのHUMINTのネットワークはあるだろうし、SIGINT/OSINTの能力はロシア・中国を凌ぐ。

 

 とにかく転ばぬ(ロシア崩壊)先の杖という、先を見た戦術行動と思います。