Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

2021年、世界のリスク

 イアン・ブレマー氏率いる米国のコンサルティング会社「ユーラシア・グループ」は、恒例となっている「今年の世界の十大リスク」を公開した。この記事にあるように、第46代米国大統領に就任するジョー・バイデン氏がNo.1のリスクだとある。(原文では46*と表記されている)

 

世界のリスク、1位はバイデン氏 ユーラシア・グループ(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 

 バイデン次期大統領は、選挙で史上最高の8,000万票を獲得しながら、史上2位の7,400万票を獲得し敗北を認めないトランプ先生からの非難を浴びている。「不正があった」との非難を真に受けないまでも、かくも難しい国際情勢下で国内は分裂したうえに高齢であり、無事に二期目に立候補できるとは誰も思っていない。トランプ先生の二期目が無くて良かったね・・・では米国は済まないようだ。

 

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 実はこのレポート、ブレマー氏の友人の有識者から回してもらって目を通した。原文は電子メールながら非常な長文、2項目だけ読んだところでOutlookの翻訳機能を思い出し、日本語にしてもらって残りを読んだ。以下、

 

2.長びく「COVID-19」

3.気候:Gゼロ時代のネットゼロ

4.米中緊張の拡大

5.国際的なデータ規制強化

6.サイバー紛争の激化

7.冷たいトルコ

8.中東:石油収入の低迷

9.メルケルの後の欧州

10.ラテンアメリカの失望

 

 というリスクが挙げられている。特に5項について、ブレマー氏は「データ(覇権)は、米中間の技術冷戦の主戦場になる」と言っている。中国は経済活動で使っているクラウド等の機能を米国資本の物からは遠ざけるし、米国は交通システムのような重要インフラが発するデータを中国の影響下にある機器を通さないように工夫する。そこに個人情報に特にセンシティブな欧州勢が加わり、米国はG7諸国を中心に中国包囲網を敷こうとするが、中国も易々とそれを許さないという。

 

 もうひとつは6項のサイバー空間での暗闘、そこは悪意のある国家やハッカー集団がほぼ免責で活動できるところ。この傾向は今年も強まり、サイバー紛争は前例のない技術的・地政学的リスクを今年産み出すだろうと予測している。

 

 もとはと言えば4項の米中対立にしても、その要因の半分程度はサイバー空間で創られデータ覇権にからむものです。うーん、この分だと僕の専門領域はまだ重みを増しますね。もっと助けが必要ですよ~。