疑惑の判定などいろいろな話題のあった北京冬季オリンピックも、終わろうとしている。雪と氷の祭典のはずだが、氷はともかく雪はほとんど積もらないのが北京周辺の気象条件。人工雪の準備が大変だったろうと、他人事ながら思う。
冬季に限らず商業化したオリンピックにあまり興味のない僕は、病室でもオリンピック情報はほとんどスルーしていた。ただ気になったのは「五輪公式アプリ」という代物。選手始め参加した人たちに、このアプリのインストールが求められたという。そのアプリ、やっぱり困った代物だったとの記事があった。
選手が帰国後に慌てて削除しても手遅れだった!中国の「五輪公式アプリ」がヤバすぎる理由(小倉 健一) | 現代ビジネス | 講談社(1/3) (ismedia.jp)
表向きの機能の他に、正直どんな機能が隠されているかは簡単に見分けることができない。中国国内にいるときはもちろん、帰国にあたりアンインストールしても、しつこくへばりついているかもしれないのだ。これを主要国は事前に知っていて、選手たちに私用スマホ・PC等は持って行かないように、通常使っているものとは別の機器を特別に用意して持っていくことも考えて、と勧めていたらしい。
オリンピックのような特別のイベントでなくても「中国アプリへの警戒」は、政府関係者はもちろん企業人にとっても忘れてはいけないこと。僕が知り合いに聞かれると応えていたことが2点ある。
ひとつは、在中国の子会社のシステムの接続性。普通は海外子会社のシステムも本社と同一、少なくともリアルタイムで連携できるようにすべきだ。しかし中国に関しては、切り離しておく方が安全だ。セキュリティ・ガバナンスが効きにくいという理由ではなく、経理系の公式アプリのインストールを要求されているから。このアプリが、本当はどう動くのかは、五輪アプリ同様不安があるのだ。
もうひとつは、中国出張時(ロシアなども同様)には、専用のスマホ・PCを用意し、機能もメールを見るなどの限定したものにすること。いつスパイウェアを仕込まれるか分からないから、国内のものと共有するのは危険なのだ。
今回の「五輪公式アプリ」の記事で、以上の事項を思い出しました。正直困った話なのですが、用心にこしたことはありませんから。