先週、英国の最新鋭空母「Queen Elizabeth」を中心とする艦隊(CSG21)が横須賀に寄港した。英国大使館がこれを記念したオンライン会議をするにあたり、僕にも案内をくれたので喜んで参加した。主催したのは「英国王立防衛安全保障研究所:RUSI」というシンクタンク。大英帝国の伝統を受け継ぐ、安全保障領域での有数のシンクタンクだと聞いた。
冒頭、駐日英国大使と自民党国防部会長から基調講演があり、今回のQE艦隊の来航は、非常に大きな政治的意味を持つこと、単なる軍艦派遣(砲艦外交)ではなく、日英の安全保障分野での協力関係を積み上げた結果であり、これからの協力強化に向けた象徴といえることが分かった。
その後日英の専門家が参加しての、オンラインパネルディスカッションの1時間ものが2つ。けっこう肩の凝る会議だったが、非常に興味深いものになった。英国本土や、横須賀に繋留中のQEの艦上からも接続されたオンライン会合である。最初のセッションは「英国空母艦隊来航と日英安全保障協力の将来~インド太平洋での海洋安全保障協力」と題されていて、パネリストたちは、
・このような多国籍艦隊の運用や目的の共有化から戦略的な行動などについて、もっと日本政府が積極的な関与をし、リーダシップを発揮することが望まれている。
・日本の海上自衛隊は米国との共同運用は充分訓練しているが、他国との共同についてはまだやるべきことが多い。
<続く>