前回の6泊滞在も、1週間乗車券にはお世話になった。地下鉄は市街地は地下を通るので車窓が良くない・・・当たり前だが。そこでトラムを多用したのだが、交通渋滞解消に向けてだろう、徐々に廃止されテルミニ駅には2系統しか入ってきていない。
観光の目玉ヴェネチア広場に乗り入れているのも1系統だけ、それでも前回はほぼすべての系統を乗りつくした。その結果ヴァチカンとヴェネチア広場の間、市街地の北西部に行ったことのない「未踏地域」が出来てしまった。今回はそのあたりを巡ってみたい。使う公共交通機関は、ATAC(Azienda Tranvie ed Autobus del Comune di Roma)が運営する市バスである。
交通の要衝テルミニ駅から100mという今回のアパートメントの優位点は、空港からの便利さだけでなく公共交通を最大限に使えるという点にもある。最初に乗った市バスは170番、テルミニ駅前の500人広場が始発で、市街の南西トラステヴェレ駅方面に行く。
バス停にはそこにやってくるバスの番号と、その系統が停まる停留所の名前が書いてあるが時刻は載っていない。大きなバス停だと、どの番号のバスが何分後に来るという電光掲示が出ている所もある。慣れてくると「492番のバスを待っているが近いところまで行く87番のバスが先に来るからそれで行こう」などということもできるようになる。
170番のバスに乗って、ナツィオナーレ通りを抜けヴェネチア広場に出た。このあたりブランドショップ街だが、古い町並みが多くどれが遺跡でどれが割合新しい建物なのか、すぐには判断がつかない。ヴェネチア広場の壮麗な建築を見ながらその周辺を一回りする。ここもテルミニ駅に次ぐ、第二のバスセンターだ。
意外と起伏のある市街地を走り、真実の口がある広場をかすめるようにして、テヴェレ川沿いをテスタッチョ地区に向かう。市場に近い教会の前でバスを降りたのだが、市場が祭日でNGだったのは既報の通り。仕方がないのでテヴェレ川を歩いて渡ることにする。このあたり、ローマ市民の胃袋を満たすための屠殺場があり、今でもテスタッチョの市場の臓物は売り物の一つだ。
川を渡ってすぐ左手の丘の上がトラステヴェレ駅、トラムも1系統乗り入れている。市場が空振りだったので一旦アパートメントに戻ることにして、帰路は近郊鉄道(FS)でテルミニ駅まで行った。
<続く>