Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

民意と投票率の関係

 先週は、世界中で重要な選挙がいくつもあった。まず英国の総選挙、下馬評通り与党保守党は惨敗し下野した。スナク首相は党首も辞任、トラス元首相など大物も随分落選している。

 

【イギリス総選挙2024】 労働党が単独過半数、14年ぶり政権交代 保守党は現職閣僚や元首相ら落選 - BBCニュース

 

 労働党は「地滑り的圧勝:Land Slide」、400議席以上を獲った。意外なことにスコットランド独立党が大きく議席を減らし、ファラージ党首のリフォームUKが初議席を獲得している。順風満帆に見える労働党だが、スターマー党首自身は前回党が惨敗した総選挙の時より、得票率を落とした。これは、選挙区イスラム教徒の支持を得られなかったからという。

 

早朝のテムズ川

 通常人権派弁護士出身で、マイノリティ擁護の立場の人のはずだが、奥様がユダヤ人でガザ地区の紛争でイスラエルの肩を持つ発言をしたのが祟った。異教徒である彼らは2大政党のどちらも嫌だと無党派の候補者に投票したらしい。

 

 どちらも嫌(トランプ対バイデンのことじゃないよ)という人たちは棄権もしたようで、投票率は60%と史上2番目の低さだった。民意は必ずしも労働党の政策を選択したのではなさそうだ。上記の記事にあるように、スターマー政権の前には暗雲が漂っている。日本の未来を見るような国なので、注視していたい。

 

 もうひとつはイランの大統領選挙。保守強硬派2人と改革派1人が争い、1回目の投票率は40%、強硬派と改革派の一騎討ちとなった決選投票は49.8%だったという。

 

イラン大統領選決選投票、改革派のペゼシュキアン氏が勝利 - CNN.co.jp

 

 この選挙は多くの改革派候補者が立候補を認められない、偏った選挙だった。それゆえか1回目の投票委率は低く、希望が出てきた2回目は少し高くなったと見るべきだろう。民意はやはり改革・・・欧米との関係を修復して庶民の暮らしを楽にしてほしい、にあるのだろう。

 

 ほかの選挙についても投票率を見て・・・あ、止めておきましょう。都知事選の批判に聞こえるとうまく無いので。