Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

下品なネズミが先頭で?

 日本の「COVID-19」感染状況を「さざ波みたいなもの」と評し、緊急事態宣言を「屁みたいなもの」と揶揄した内閣官房参与高橋洋一教授が、官房参与を辞任した。総理からは淡々と「辞任の申し出があった」と記者に説明があっただけだ。しかしご本人は、「下品だった」と反省したものの、欧米と比べて被害は僅少だということと緊急事態条項のないことは問題だとツイートの動機を述べ、辞任については「心残りはない」とサバサバしている。

 

辞任の高橋洋一氏「下品な表現」を謝罪も「心残りはない」― スポニチ Sponichi Annex 社会

 

 高橋教授は元大蔵省の官僚だが、理系(理学部数学科&経済学部経済学科)でもあり科学的な考証、データに基づく論説で知られる。小泉・竹中改革では財務省と格闘する竹中経済財政担当大臣を補佐した。竹中教授が総務大臣になってもブレーンとして仕えたが、その時の総務副大臣が菅現総理である。

 

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 昨年秋、高橋教授が内閣官房参与に就任した時教授に期待されたのは、科学的な考証。政策にはどうしても感情に流される傾向があり、明らかに間違いと分かっていても突き進んでしまうことがある。猪瀬直樹著「昭和16年夏の敗戦」などは、その典型例を著わしたもの。

 

「数学脳」は批判を呼ぶかも - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 別ブログで最近読んだ同教授の著書を紹介した。「数学脳」を持ちマクロ経済もミクロ経済も理解している高橋教授のアドバイスは、「COVID-19」禍のような時こそ重要だった。しかし行政の末端では、マクロ政策のことなどより目の前のこと。例えば河野大臣はワクチン接種を「効率化を考えたのだが、現場では公平性を重視された」と言っている。これが現実だ。

 

 ここからは僕の推測だが、高橋教授は「高々1,000名の重症患者で、経済を止めるのはおかしい」くらいのことを言ったのではないか。それが「さざ波」の意味ではなかろうか?そんな教授が辞任するということは、意見がいれららず政策が科学的で無くなっていることに耐えられなかったのではと思わせる。

 

 沈む船からはネズミが逃げ出すといいます。この官邸から、最初に「下品なネズミ」が逃げ出したようにも見えます。さて「政局」ですかね。