Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

銀行に必要な構造改革とは?

 先週もみずほ銀行のシステムトラブルがあった。頭取が緊急謝罪会見をしたのだが、2週間に4回の事故が起きるというのはちょっと考えられない。個々の事故に因果関係はないというなら、もっと根本的なところ(企業経営の在り方そのもの)に原因があるように思う。

 

 菅政権の目玉政策のひとつが「金融機関の再編」だが、地域金融機関に先立って再編を果たしたメガバンクの一角が、この体たらくでは困ったものである。政府の再編の目的を考えると、オーバーバンキングと言われている状況を改善し、地域の中小企業の経営を刷新して競争力を強化することにあると思われる。

 

 その一環として、銀行法を改正して金融機関が企業への融資だけではなく出資をしやすくするという。そもそも同じお金なのだが、融資と出資は意味が違う。

 

・融資 貸金なので着実な回収のため、安定経営を銀行は求める。

・出資 投資なのでリターンを期待し、挑戦を銀行は求める。

 

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 先日別ブログで紹介したように真の銀行マンとは、

 

・カネを貸してやるではなく、お金を使っていただくと考える。

・顧客の事業に精通し、一緒に事業を考える。

 

 べきなのだが、それができる体制や人材が地域金融機関には絶対的に不足しているように思う。出資に軸足を移していくのは悪くないのだが、それが本当に出来るか、出来るようになっているかが問題。ただ銀行法の規制で(出資)していないわけではないと、僕は思う。

 

 長く続く低金利もあって、銀行経営そのものが苦しい。メガバンクすらも支店統廃合・店外ATMの削減・通帳有料化や口座管理料の新設などでシノギを得ようとしているくらいだ。そこで、

 

恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ | 富裕層向け資産防衛メディア | 幻冬舎ゴールドオンライン (gentosha-go.com)

 

 にあるように、定期預金金利を増すことと抱き合わせで投資信託を売りつける、ある意味悪徳金融のような手段も辞さないことになる。餌食になった預金者(多くは高齢者)の中には、投資信託が元本割れする金融商品だということも十分理解していない人もいたと思う。それでもノルマに苦しむ営業マンは、必死に売り込んだのかもしれない。このような傾向は、証券・保険・郵政を含めた多くの金融機関にみられるという。

 

 上記した真の銀行マンをたくさん育てること、これこそ銀行の構造改革と思いますよ。