自民党税調会長の甘利議員は、平井デジタル相の年代よりは一世代上のデジタル通である。その甘利税調会長が、TV局のインタビューの応じて「日本は容易にファイブアイズに加われない」と悲観的な見方を示した。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4087465.html
仰っている主旨は、
・安全保障に関わる情報を共有するのがファイブアイズ
・日本のシステムや個人のセキュリティレベルは、まだ十分ではない
・日本がこの状態ではファイブアイズの国は日本に情報を流してはくれない
ということ。これは、以前僕も指摘したことだ。
https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/09/01/060000
甘利先生の発言で注目すべきは、「個人のセキュリティレベル」という部分。これはどういうことかというと、専門家が不足とか技術を勉強する場が少ないということもあろうが、国家レベルの情報にアクセスできる資格の事だと思う。これを「セキュリティクリアランス」という。
専門家の間ではよく交わされる言葉だが、どういうものかはあまり知られていないので、米国の専門家に米国の例を引いてわかりやすく説明してもらった。
目的:人が個人として国家安全保障情報へのアクセスを許可するため
認可:個人の信頼性や誠実性から判断される
申請:民間人は政府等の要請の職務に必要な任務と責任のために資格を申請できる。
個人の事情・理由で申請することはできない。
それではどういう判断基準で認可されるのかと言うと、
・安定性
・誠実さの信頼性(特に人間関係)
・確実さの信頼性(体力耐久性含む)
・分別
・性格
・正直
・判断力
・忠誠心(米国に対する疑う余地のないレベル)
海兵隊の合言葉「常に忠誠を!」ではないが、軍を離れても関係した職務を民間で行う場合には「忠誠」を持っていなくてはいけないという意識は軍のOBにはあるだろう。軍のOBでなくても、そのレベルの「忠誠」を求めているのが米国らしい。体力耐久性って拷問に対する強さのことを言っているのかもしれないと気づいて、やっぱり生易しいものではないなと思った。
これを日本に導入するにはどうしたらいいか、単なるシステム開発などとは違うので政界・官界・産業界で知恵を絞らないといけないでしょうね。