まずIT担当の竹本大臣が記者会見し、「新しい生活形態が要求される中、ITを使ってどのようなことができるか議論したい」と述べ、東洋大学竹中教授を座長に12名の産学の有識者を集めて懇談会を設置した。
おどろくのはそのスピード感、6/12の記者会見に続き翌日に第一回会合、先週末までに3回開催している。聞くところによると、8月には何らかの答申を出すのだという。
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/new_normal_it/
この懇談会自体は非公開で、なるだけ自由な意見を言ってもらえるように配慮していある。多分ある程度答申の骨子は出来ているのだろうと思って、初回に出された事務局(IT総合戦略室)資料を眺めてみた。
テーマが3点挙げられていて、
(1)ニューノーマル時代のライフスタイル
・生活・仕事・学び・遊びが融合が進む
・距離の概念、移動の在り方が大きく変わる
(2)ニューノーマル時代の社会の仕組み
・都市の概念、グローバリゼーションとローカライゼーション
・サービス生産/消費と競争環境が大きく変わる
・新たな格差を生まない、国民全体が恩恵を享受できる基盤が必要
・新技術の開発実装がさらに加速
・デジタル社会の安心とIT技術の安全性がより求められる
最後の技術については、ニーズさえあれば既存の技術要素でも相当のことが実現できる。ライフスタイルと社会の仕組みはコインの裏表のようなもので、どちらが先かという問題ではない。これらの中で挙げられた仮説/論点の中で一番重要なのは、
「新たな格差を生まない、国民全体が恩恵を享受できる基盤が必要」
なのではないかと思う。
「COVID-19」騒ぎで露呈したのは、行政分野のデジタル活用の遅れ。特別定額給付金の給付遅れや、雇用調整助成金の申請トラブルなど枚挙にいとまがない。
https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2020/06/09/140000
この例でも、雇用調整助成金の申請をオンラインに限ったのはいいとして、ITに慣れていない経営者は困ってしまったのに十分な手が差し伸べられなかった。内閣府が考えている「デジタル社会」において、オンラインへのアクセスは基本的人権のひとつだと僕は思っているので、この論点を最重要に挙げた。
<続く>