昨今のPCは普通の人が滅多に使わない機能まで、盛りだくさんに入っている。一つ一つの機能は使い勝手を考慮していても、山のように提示されたらユーザーは困ってしまう。まずは自分の使う機能、使いたい機能をちゃんと決めて、その他を「捨てる」勇気が求められる。
まだスマートフォンの方が使いやすいかもしれないのだが、いずれにしても使える人と使えない人の間に「格差」が出てしまうのは宜しくない。前編で例に引いた記事の筆者のように「菅内閣は誰も取り残さないデジタル社会と言ったじゃないか」と行政とICT業界の縦割りは日本政府の責任だというつもりはないが、この分野でも「自助・共助・公助」の考え方は必要だと思う。
自助を持ち出すと途端に「竹中一派の新自由主義者」とのレッテルを貼られかねない昨今だが、何事にも取り組んでもらう姿勢としての「自助」は必要である。日本をより良いデジタル社会で、
・困窮している人に、申請しなくても迅速に助成金が支給される。
・自分が本当に必要としている医療・介護・福祉等のサービスがすぐに分かる。
などを可能にするには、市民全員の努力も求められる。でも使い方が分からないという向きには、それを教えてくれる場があったり、障害等で自分ではできないことがある場合には代理サービスを提供する機関があるべきだ。これが「共助」。
そもそもPC/スマートフォンを買えないし通信料なども払えないという向きには、「公助」として行政からの支援(助成金等)があるべきだ。
僕は真のデジタル社会実現の第一歩は、「オンラインアクセスは基本的人権だと皆が認めること」だと思っている。基本的人権を守るために行政も予算を付け、民間機関も「共助」サービスの充実に力を入れる。こういうムーブメントを社会全体で加速していく必要があると思うのだ。
写真は僕の街で見かけた「パソコン119番」という車輛、これが公的機関のものか民間のものかも分からない。いやそんなことはどうでもいい、デジタル・デバイドで困っている人を助ける機能があればいい。街中のパソコン教室も増えて欲しいし、職種変更を希望する人向けのデジタル・リカレント教育などはもっと欲しい。
行政としてはデジタル代理人やリカレント教育企業に優遇措置をとったり、教育を受講したい人への助成も考えていただきたいものです。社会全体でデジタル・デバイドを無くせるように・・・。