前菜としての「タルタルステーキ」で十分近く満足してしまって、白ワインの進みが早い。少しずつカラシソースを混ぜて味に変化を付けるのも面白い。僕は洋ガラシが苦手なのだが、今回はそれを感じない。料理全体を気に入っているからだろう。でもこれはあくまで前菜。メインはこれからやってくる。
島のワインが好きになったのは、ずいぶん昔スイスに旅行した時。やはりサルディニアのワインが美味しくて、その後シチリアやコルシカ(ここはフランス領)のものを試したが、一度もはずれはない。このDOCGももちろんOK。
昨日のステーキ・ファミレスとは異なり、他の客が入ってきても気になることはない。ウェイターは適切な距離を保ってサーブしてくれる。ゆっくりディナーを楽しめる店に来て良かったと思っていたらメイン料理が来た。僕はカルボナーラ、家内はカッチョ・エ・ペペだ。
カルボナーラは日本でもおなじみのパスタ料理、カリカリのベーコンとしっとりした卵(黄身だけ使うのが上物らしい)でいただく。もともとは炭鉱夫の食事といわれ、カロリーたっぷりである。カッチョ・エ・ペペは、ローマの郷土料理だとガイドブックにある。パスタにたっぷりのチーズと胡椒をふりかけたもの。両方とも、薄いプレートのようなお皿にのってきた。食べ始めると、見た目より多いボリューム。さすがは炭鉱夫の食事だ。
白ワインが空いてしまったので、ペコリーノ種の白ワインをグラスで追加。フルーティな味で、濃厚なカルボナーラの残り味を流してくれる。イタリア人だとこの上、肉料理など食べ、さらにデザートを食べるわけだ。しかし日本人ならここ(前菜と第一の皿)までで十分である。ワインも美味しかったし、ローマの滞在6日間のシメとしては十分なディナーになった。次のローマ旅行ができるなら、もう一度来たいお店である。
まだ日は高いけど、ゆっくりホテルに帰りましょう。金色の天使(?)像が見守っていてくれるから。