Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

猛暑の中の政権交代

 僕らがローマに滞在していた時も、最高気温が36度くらいになりヨーロッパって暑いなと思ったものだ。ところが今年の熱波は異例のものだそうで、僕らが帰国してからもっと暑くなったらしい。フランスの観光地では45度というアフリカ・中東並みの気温を記録している。先週は、ギリシャで高温のためアクロポリスを閉鎖するという事態になった。観光客の健康に悪影響があるとの判断らしい。

 

 その「熱い」ギリシャでの4年ぶりの総選挙、結果はチプラス首相の与党急進左派連合(SYRIZA)が敗北、中道右派の新民主主義党(ND)が過半数議席を得た。4年前、EUの制約により緊縮財政を続けてきたギリシャ市民の不満が爆発してできた政権だったが、結局何もできなかったということだ。

 

 チプラス政権は選挙公約に、反緊縮・汚職取り締まり強化などを掲げて熱狂的支持を集めて誕生した。汚職の方はともかく、反緊縮のためにはEUとの困難な交渉が必要で場合によっては「EU離脱」をする覚悟が求められた。ユーロを通貨としていないイギリスでさえ「Brexit」にあんなに苦労しているのに、ユーロ依存のギリシャにそんなことができるはずはなかった。もしドラクマを復活させても、たちまち信用不安で暴落しただろう。結果として輸入品の価格が暴騰し、市民の暮らしが立ちいかなくなるのは明らかだった。

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 政権発足当初からの予想通り、チプラス政権は何もできずに終わった。ギリシャ市民は一時の熱狂からさめ、平静を取り戻したということだろう。(それともあきらめ・・・かも?)世界中でポピュリズム的政党や政治家の台頭が見られるが、その寿命は長くないことを証明した出来事だと思いたい。

 

 僕の見るところ最も成功しているポピュリズム政権が北米にあって、その首長は二期目を目指した選挙運動にやっきである。その3億人の国民にも目覚めてほしいものだ。また日本も参議院議員選挙の真っ最中。各政党もポピュリズム的主張で票集め・・・などとは思わないでいただきたいものです。