Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

官僚たちの初夏

 7月はじめは霞ヶ関の人事の時期。まず某省の事務次官が退任して後任は誰・・・などとの「新聞辞令」が6月末から出始める。多くの場合それは外れに終わり、逆に新聞にでたゆえにそのメが無くなることもあるらしい。さすがに意図的に「そのメ」を潰すためのリークが功を奏したという話は聞いたことはない。「霞が関の社長は事務次官」というのは、この業界に鼻先だけ突っ込んでいた20年前に聞いた言葉だが、「社長人事」がそんないい加減なことで左右されることはないと思う・・・思いたい。

 

 7月に入ると、何人かの知り合い官僚から「異動します」とか「退官します」とのメールが入り始める。そして官報に公示されたものが、社内のメールで共有されるようになる。僕は官僚ではないのだが、付き合っているうちに行動様式が似てくるのはやむをえない。氏名はもちろんだが、異動先の次に入省年次を見る習性が付いてしまった。

 

 かつてはどこでもそうだったのだが、入社(省)年次は人事の基本。民間ではそれが徐々に崩れ、新興企業ではもはや「幻想」になっているのだが、霞が関にはその伝統がしっかり生き残っている。僕と同じ年代の人たちはとっくに退官していて、3~5歳若い人たちが次官級ポストに名を連ねている。

 

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 4月のG20貿易デジタル大臣会合のプレ、マルチステークホルダー会合で某省No.2までいった知り合いと久しぶりに会った。彼は2年間コンサル会社に籍を置き、今はキャリアの関連会社(といっても巨大な会社)の役員をしている。現役時代のギラギラした感じは無くなり、柔和な笑みを浮かべていたのが印象的だった。

 

 昨日僕はある財団法人を訪問したのだが、ここに理事長は元某省の事務次官。応対してくれた理事さんもその省の幹部だった人だ。霞が関でも最近は定年延長もあるようだが、次々と若い年次が出てくるのでポストは譲らないといけない。人生100年時代になって、高級官僚の人たちもひょっとしてらセカンドライフをメインに考えるようになっているかもしれない。民間も役職定年後のことは50歳くらいから考えないとと人事コンサルタントが言うのですから、彼らがセカンドライフを早めに考えることは当然だと思います。