今週武蔵野市で、市長選挙と市議会議員補欠選挙が行われた。この選挙のきっかけは、総理大臣も務めた立憲民主党菅直人議員の引退宣言である。
・菅議員が次期衆院選に立候補しないと表明
・武蔵野市の松下市長が、菅後継として立候補するとし市長を辞職
・松下市長後継として、市議の笹岡氏が市長選に立候補
・菅議員の息子で秘書でもある源太郎氏が、笹岡市議の辞職に伴う補選に立候補
というのが2つの選挙の経緯。18年も革新系市長が選ばれてきた武蔵野市での選挙だから、革新系が強いと思われていた。源太郎候補については「世襲ではないか」との批判もあって、そこが不安材料だったが・・・。
市長選は政権与党が推した小美濃候補が辛勝、裏金問題などで与党逆風の中、意外な結果になった。埋め合わせというわけでもなかろうが、源太郎候補はめでたく当選している。
東京・武蔵野市長、18年ぶりの自民系に 前市長の市政では外国人投票権で激しい論争 市議補選では菅直人氏の〝世襲〟に注目 - zakzak:夕刊フジ公式サイト
立憲民主党以下多くの野党が集って支援し、菅元総理や松下前市長が応援に汗をかいた笹岡候補がなぜ敗れたのか?おそらく小美濃候補の「外国人投票権条例案凍結」の公約が、支持を集めた(つまり前市長の政策に批判が集まった)ためだろう。
武蔵野市で3ヵ月暮らせば、国籍に関わらず市民として住民投票の投票権を与えようというリベラルな条例案だが、市民の不安は大きかったようだ。市外からもこれに反対する人たち(例えば参政党)が集まってきて、松下市政の危険性を訴えたと思われる。
欧州の排外的ポピュリズムと日本 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)
で紹介したように、欧州各国で反移民のポピュリズム政党が台頭している。裏金問題などで苦悩する自民党にとって、この勝利は一つのヒントになるかもしれない。「そうだ、反移民のポピュリズム政党として出直そう!」となりますかどうですか。