Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

民主主義の危機

 ひょっとすると秋には総選挙があるかもしれないと思ってだろうか、各政党の動きが慌ただしい。特に野党幹部の「舌戦」がメディアを賑わせているのだが、政策論でないのが気になる。

 

立憲・泉氏、維新・馬場氏の共産への発言批判 「民主主義の危機」 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 維新・馬場代表が、

 

共産党は日本からなくなったらいい

立憲民主党は叩き潰す

 

 などと発言したことに「民主主義の危機」だとの非難が挙がった。報道を見る限り、どっちもどっちのレベルの騒動だ。本当の民主主義の危機は、先月立て続けに起きているのに・・・。

 

    

 

カンボジアの総選挙では、フン・セン一族の世襲が明白に

・タイではクーデターを起こした軍の影響で、選挙後も首相指名ができない混乱

イスラエルでは司法の権限を制限する法律が、与党のごり押しで成立

NATOEU加盟国であるポーランドでは、ポピュリズム政党が独裁傾向を強め

北アフリカ唯一の民主主義国ニジェールで、クーデターを起こした将軍が元首に

 

 特に最後のものは、まさに「危機」。ニジェールは、アルジェリアの南に位置する内陸国。人口は2,500万人足らず、一人あたりGDPが1,300ドル以下の貧しい国だ。地図では、ワグネルが拠点を持つ国に囲まれているように見え、まさに北アフリカの「西側最後の砦」だった。

 

 先月のロシア・アフリカ会議では、確かにプーチン政権の衰退は感じられたのだが、それでもアフリカには、

 

旧ソ連~ロシア製の兵器を配備しているし

・市民の蜂起などに対応するためワグネルが常駐していて

・鉱山などの利権をワグネルに渡している

 

 国が多いことが明白になった。別に軍事独裁の国ばかりではないが、西側に支援を求めると「民主主義や人権などという面倒くさいものを押し付けられる」のと、ロシアの兵器が安いことでロシア寄りになっているのだ。

 

 今年バイデン政権が企画した「民主主義サミット」も、成功とは言えなかったようです。民主主義は面倒くさい、その前にやること(食糧や水の確保、疫病対策、治安等々)があるのだということでしょうね。