Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

包囲網は「ローマ法王」で完成?

 南シナ海東シナ海での緊張が高まっていて、大英帝国海軍は空母「クイーン・エリザベス」を含む艦隊を当該海域に派遣することとし、空母はポーツマスを出港した。ドイツ海軍、フランス海軍もそれぞれ軍艦の派遣を発表、ある記事では第二次世界大戦前のような「連合艦隊」が出来るかもしれないと伝えている。

 

 日英米欧それぞれ難問は抱えていて、完全な「中国包囲網」とはいかない様な気もするのだが、ひょっとするとこの人が加われば・・・と思えることがあった。それはローマ法王。別にバチカンの衛兵(スイス人傭兵が主力)が戦線に加わるという話ではない。中国のキリスト教弾圧に対し、ローマ法王が正面切って批判すれば、南米・アフリカその他のキリスト教国が中国側に付くことは無くなるだろうということ。

 

中国総人口の2割を占める「キリスト教徒」急増が、習近平を苛立たせる | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)

 

 中国では弾圧されながらもキリスト教人口が増えていて、2030年には3億人に上るとこの記事は言う。新疆ウイグルイスラム教徒への迫害はよくメディアが伝えるが、キリスト教もやはり迫害の対象らしい。

 

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 もともと共産主義と宗教は相容れないものだが、旧ソ連でもロシア正教が廃されたわけではない。辺境の異民族であるウイグル族とは違い、浙江省温州市などのキリスト教徒は漢民族中心のはず。それをなぜ弾圧するかというと、宗教がはびこると王朝が倒れるという歴史があるから。

 

 中国で王朝が倒れたパターンというものがあって、

 

1.固定された身分制度、硬直した官僚機構

2.上から下までの官吏の腐敗

3.忍耐強い民衆も、最後にはキレる

 

 という手順。共産党政権がどのくらい硬直化しているかは分からないが、腐敗は確実にある。清王朝末期のように政府年間予算の10倍を不正蓄財したという話まではいかなくても、習大人が最初に掲げたのは腐敗対策「トラもハエも叩く」だった。その状況に不満を持ち絶望する市民がキレる前にすがるのが宗教。そういえば「太平天国の乱」もキリスト教一派の旗揚げだった。

 

 共産党政権は以前から「法輪功」などの弾圧は強めていたが、3億人のキリスト教徒が本気になれば脅威の度合いは「法輪功」ごときではない。ローマ法王を敵に回さない程度に弾圧・・・などという手加減が出来るのでしょうか?習大人もお悩みかもしれません。