Cyber NINJA、只今参上

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9・11の「完全」撤退へ

 米国バイデン大統領がアフガニスタンのガニ大統領と会見、今年9月の「米軍完全撤退」が迫る中「撤退のあとも支援を続ける」と表明した。アレクサンダー大王の東征以降、文明の十字路として幾多の勢力がアフガニスタンに侵攻、本当に勇ましいDNAだけが生き残ったような地域だ。

 

米大統領 「米軍完全撤退のあともアフガニスタン支援続ける」 | 米 バイデン大統領 | NHKニュース

 

 20世紀にはソ連精鋭部隊が侵攻しながら敗れ、ソヴィエト連邦崩壊のきっかけとなった。世界最強米軍も「テロとの闘い」として21世紀に侵攻し、現在まで進駐している。ただ多数の民兵組織が蠢いていて、とても治安を確保しているとは言い難い。米軍も正直「ビンのフタ」くらいの役目しか果たしていない。20年近くにもなる泥沼化から、米国が撤退を決めたのは仕方ないことだろう。新しい敵が東・南シナ海に出てきたこともあるし。

 

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 バイデン大統領の言う「支援」って一体何だろうと考えたが、アフガニスタン政府に対して経済援助や産業振興支援をするだけでなく、あと2つほどありそうだ。まず、アフガニスタン国内に大勢いる米軍への協力者の保護だろう。

 

 米軍が撤退してしまえば、それまで米軍に協力していた人たちの身体・財産に危険が迫るのは当たり前のこと。に直接的軍事行動に関わったり、諜報活動をしていたアフガニスタン人だけでなく、単に米軍に食糧などを提供していたビジネスマンさえ、「ビンのフタ」がいなくなったら糾弾されかねない。ではどう保護するかと言うと、一番危険な人たちは米国に亡命させるなど、国外に出すことだろう。ひょっとするとニューヨークに「アフガニスタン村」が出来るかもしれない。

 

 もうひとつは米軍人はほとんどいなくなるとしても、無人機やAI兵器は残るかもしれないと思う。米国内からリモート(テレワーク!)で操縦する「プレデター」などの攻撃機はすでに使われているし、純粋に自律型で敵を攻撃するAI兵器も使われる可能性がある。

 

空飛ぶ殺人ロボット、戦場で使用か AI兵器、世界初?:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

 リビアで使われたAI兵器はトルコ製とのことだが、米軍もAI兵器は持っているし実験場は欲しいはず。「完全撤退」と言われながら、恐らくは真の「完全」にはならないと思いますよ。