Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

日本のミレニアム&Z世代にも期待

 米国の中間選挙は、ある意味予想外の経過になった。事前予想は「共和党が下院で圧勝、上院でも多数を得る勢い」だった。選挙中盤、民主党が中絶問題で巻き返しているとはいえ、あまりにも過酷なインフレに対してバイデン政権が批判にさらされていたからだ。選挙の争点の第一が「インフレ・経済」で、「中絶」は第二位にも入らなかった。しかし、開票後の分析では、「インフレ・経済」は一位ではあるが、二位の「中絶」に僅差に迫られていた。「選挙予想がいかに不正確か」がメディアに突き付けられたと言えるだろう。

 

 識者によると、ミレニアム世代とZ世代が、共和党(というよりトランプ派)の主張にNoを示したのも、民主党が上院で50議席を獲り、下院でも意外な接戦になった理由らしい。

 

ミレニアム世代:1981年以降の誕生で、20歳代後半~30歳代

Z世代:1996年以降の誕生で、20歳代中心

 

    

 

 という定義。この世代は「デジタル・ネイティブ」でSNS等のコミュニケーションに長け、人権・環境意識が高い。ラストベルトや中西部の共和党が強く東西海岸から離れているところに住んでいても、海岸地帯からの情報が十分に届く。

 

 海岸地帯、特に西海岸は移民の子孫たちが大きなビジネスを展開するコスモポリタンエリア。トランプ先生の言う「閉じたアメリカ、偉大なアメリカ」が幻想であることを知っている。例え両親が共和党支持者でも、彼らはトランプ派だけはまずいと考えたのだろう。米国市民は、全体として正しい選択をしたし、その主役は若い世代だったと思える。

 

 翻って日本、その世代の政治的存在感が希薄だ。現状では「若肉老食」政策が進行中で、若者が声を挙げるべきではなかろうか。29兆円の経済対策補正予算でほっとしている暇はない。そのツケは増税で賄われるのだ。立法府・行政府が身を切る改革をし、負債を君たちに押し付けないよう、政治に関心を持ってくださいね。