Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ストライキと民主主義

 世界的な物価高騰で、どの国でも庶民や労働者は生活が苦しくなっている。そこで、今年は大規模なストライキが、方々で決行された。生成AI登場に危機感を覚えた全米俳優組合・脚本家組合のものは例外だが、ほとんどのストライキの要求は賃上げ。

 

 英国では、交通機関や消防などの公共サービス部門の人達が、ストを打って社会に影響を与えた。その後、各国で教師・保育士・医師・看護士などがストライキを決行している。最大規模のものは、全米の自動車労組のスト。先日「4.5年で25%賃上げする」との回答を得て妥結している。

 

 翻って日本を見ると、閉店に反対した西武・そごうのスト以外には、大きなものは報道されていない。日本でも、物価高騰や増税などあって市民の可処分所得は減っているというのに・・・。

 

        

 

 この違いは何だろうと考えたが、やはり労働組合の質の違いではないかと思う。日本の労組は、かつては激しい闘争をしていたということだが、僕が社会人になるころにはすっかり「御用組合」と化していた。僕は10年余り組合員だったが、ストの経験はない。

 

 「春闘」で連合が経団連など経済団体に迫るシーンはあるが、これも形骸化している。「連合は正社員だけの代表だから」との批判もあって、最近は非正規含めた団体と言ってはいるものの、増えているフリーランスなどの意見を束ねているような気はしない。

 

 気になるのは、ある歴史家が言っていること。近代工業社会となって資本家に労働者が搾取され不満が溜まった結果、

 

1)労働組合と議会がしっかりしていると民主主義国家

2)イデオロギー爆発が起きると共産主義国

3)エリートであるポピュリストが台頭すると独裁国家

 

 になる(*1)という。少なくとも民主主義を維持するには、市民の代表としての何か(議会や労働組合かそれに代わるもの)が必要というのは正しいと思います。議会も労働組合もイマイチな現状で、日本の民主主義には何が求められるのでしょうか?

 

*1:「生きづらさ」を覚える人々 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)