Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国会って何なんだっけ?

 今日から、今年の通常国会が始まる。政府・与党として当面の山場は、過去最高114兆円まで膨らんでしまった来年度予算の審議だ。特に実質倍増の防衛費は、議論の焦点になるだろう。

 

 昨年、この書で「熟議デモクラシー」という言葉を学んだ。一気に変えてはいけない、毎年5%ずつ変えていくのが理想とある。

 

市民運動出身の首長 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 その考え方からすると、昨年秋からの防衛費GDP比2%実施の議論の進展は、急だったと思う。国際情勢からいって、またこれまで全く思考停止して時間を空費していたことからいって、やむを得ない面もある。しかし与党はそうだったとしても、野党は何をしていたのか?防衛費増額に(与党以上に)前向きな維新の会はともかく、立憲民主党共産党・れいわ新選組は、政治とカネという古いテーマで内閣を糾弾し、4大臣の首を挿げ替えさせることで満足してしまったのではないか。

 

    

 

 この経緯を見て、改めて「国会って何だっけ?」と考え込んでしまった。ある人によると、米ソ冷戦終結後「もうインテリジェンス機関(CIA)は要らないのではないか」との意見があり、米国議会は3年かけて「熟議」した。結論は「例えソ連は無くなっても、国家のインテリジェンス機能は必要だ」となり、現在に至る。

 

 米国は大統領制で、大統領が何でもできると思われがちだが、実は議会の力も強い。昨年ペロシ下院議長が台湾を訪問して中国を怒らせたが、彼女は大統領の継承順位3番目の重要人物だからである。日本の衆院議長とは、重みが違うように思う。

 

 <サンデーモーニング>のコメンテータである寺島実郎氏が「米国に対して、人口比2倍の国会議員を持つ日本。本当にこんなに多くの議員が必要か?」とよく仰る。この番組自身にシンパシーは感じないが、この意見には同意できる。

 

 「閣議決定してしまえば、あとは国会をしのげばいい」という形では、日本の民主主義の是非が問われるというものでしょう。