Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

命の比率、1対3or10

 ガザの戦闘は、一時休止(Pause)も7日間で終わってしまった。人道物資の搬入も、十分に行われない中での戦闘再開である。米国さえもイスラエルを止められない中で、パレスチナ人200万人余の命を救うことができるのは、今やエジプトしかない。岸田首相がCOP28のためにドバイを訪れたおり、エジプトのシシ大統領に「観光業などへの影響」を補うための援助、最大2億3,000万ドルを行うとした。これについてネット上では「またバラマキ、国民生活無視」の非難が高まったが、地球市民でもある日本国民は独善だけを考えないで欲しいと思う。

 

 国内の反応はともかく、エジプトがパレスチナからの避難民を受け入れるとしてくれれば、もっと支援してもいいだろう。なぜなら、南部も含めてガザ地区にいることそのものが非常に危険だからだ。

 

    

 

 イスラエルパレスチナ人の命を、非常に軽く見ている。かつての紛争でも、イスラエルユダヤ)人1人の犠牲に対して、10人のパレスチナ(アラブ)人を殺すまで戦闘は収束しなかった。今回も、ハマスのロケット弾攻撃や壁を越えての侵攻によって、1,400人ほどの犠牲が出た。その後のガザでの地上戦などでも犠牲が出ているので、1.5万人の首をネタニヤフ政権は求めていると思っていた。

 

 一方、ハマスが人質を解放する条件としたのが停戦と同時に、応分のパレスチナ人の解放。奇襲以前および以後に、イスラエル軍に拘束された人の釈放を求めてきた。その交換レートは1対3。女性や子供が対象で、ハマスは人質100名程解放し、イスラエルは200人余り釈放した。人質の中にはイスラエル国籍でない人も含まれるので、おおむね1対3の比率が守られた形だ。

 

 ハマスのレートが1対3で、イスラエルのレートが1対10。これが両陣営の意識だと思います。ただ、イスラエル軍は軍事作戦を強化しています。地下深くも破壊出来るバンカーバスター100発も届いたと言います。気化爆弾以外では、地下壕を攻撃する最強の通常兵器です。10倍を超えた犠牲者が出る可能性も高くなっていますよ。