国内・海外を問わず、僕はカメラを手放さない。これはフィルムカメラの時からずっと続けてきたことで、旅行の主目的はグルメではなく写真を撮ることだった。大きなカメラバッグに、35mm一眼レフボディを2台、交換レンズを5本(*1)も詰め込んで、インターラーケンからグリンデンヴァルトを旅したことを思い出す。そこでの主な被写体は、アルプスの山々や町並み・・・ではなく、高原鉄道の列車。
そう、鉄道好きでもある僕は乗るのも好きだが、撮るのも好きだった。しかし「わーい」と能天気にシャッターを切っていると、逮捕されるかもしれないとの記事があった。
ポーランド「鉄道撮影禁止法」が巻き起こす波紋 軍事機密は重要だが社会主義時代の苦い記憶も | 海外 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)
ベラルーシに隣接するバルト三国やポーランドにとっては、1,000名ほどとはいえ民間軍事会社<ワグネル>の残党が国境付近に展開していることは頭痛の種。ポーランドらは、準戦時体制に入っていると言ってもいい。
まずないとは思うが、もし侵攻があるとすれば、敵国は徹底的な偵察をして侵攻手順を考えるはず。情報を出来るだけ渡さないようにすれば、侵攻を遅らせ、場合によっては思いとどまらせることもできるかもしれない。そんな理由で、特に物資や要員輸送に関する情報が一杯ある鉄道関連にヴェールをかけたわけ。
スパイに写真を撮らせて送らせるだけではなく、無垢な民間人がSNSなどに上げた写真から、部隊輸送や兵站量を読み取ることも可能だ。前者はHUMIT、後者はOSINT情報だが、インターネットがない時代からOSINT情報は非常に役に立っていた。
まあ、仕方ないことですし、ポーランドに旅行する可能性もまずないからいいのですが、台湾や韓国でも似たような措置が取られるようになったら、ますます海外が遠くなってしまいますね。
*1:Contax159MM、S2、Distagon18mmと25mm、Tesser45mm、Planner50mm、Sonar85mm