Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

文書交通費すら改革できない

 今年の通常国会が、平穏なうちに閉幕した。終盤「すわ解散か!」とセンセイたちが浮足立って、真っ当な議論が出来なかったような気がする。国会開催前には重要な問題だった、国会議員の調査研究調査滞在費(*1)の改革についても、何も進まなかった。

 

旧文通費改革、進展なし 自民、「成果」の約束果たさず 国会(時事通信) - Yahoo!ニュース

 

 1日登院しただけで月額を満額支給されるとの小さな批判から始まったこの問題、結局名前を変えただけで終わりそうだ。国会議員が優遇されているとして「身を切る改革」を唱える政党もいるのだが、国会議員の仕事(選挙?)には費用が掛かるので仕方がないとする擁護論もある。うん?仕事って何?

 

    

 

国会って何なんだっけ? - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 で紹介したように、国会議員の仕事は法律を作ること(立法)。しかし複雑な現行法体系の中で、これまでの秩序を壊さないように、矛盾しないように新しい法律を起草するには、国会議員のスタッフ含めた能力は不十分だ。結局官僚に依存することになり、政府提案の法律を追認することになる。たまに出る議員立法基本法の域を出ず、今国会で審議された「LGBT理解促進法」では3つの法案が乱立する始末。

 

 米国の例を言えば、上院/下院の国会議員の仕事は、やっぱり立法。それが可能な政策スタッフを抱えるため、議員ひとりあたりの歳費は日本の比ではない。これが民主主義のコストというわけ。日本の民主主義を進化させ、三権分立を明確にするには、国会議員(チーム)の立法能力を高めたい。そこで、

 

議員定数を1/3に削減

・個々の議員の歳費を3倍に増加

 

 させるぐらいの改革が必要ではないかと思った。増えた歳費で知恵のあるスタッフを雇い、立法ができるようにしたいのだ。過渡的な形態として、増やす歳費の応分を政党にまとめて政党に立法能力を持たせるのもいい。もちろん政党助成金との関係は調整すべきだが。

 

 でも文書交通費という小ネタ(!)も改革できないようでは、こんな話は夢に終わるでしょうが・・・残念。

 

*1:旧文書通信交通滞在費、月額100万円支給されその使途が不透明で第二の報酬だと批判されている。