Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ウクライナ紛争の停戦提案

 ウクライナ紛争は長期化している。主力戦車も揃ってきて、ウクライナ軍が反転攻勢に出ると伝えられる。ゼレンスキー大統領は、反撃時期については言えないとしながらも「近い」と言っている。一方で彼は「ロシアとの戦闘は何十年も続く可能性がある」とも言う。そんな状況に対し、多くの国や人々は「早く終戦、せめて停戦ができたらいい」と思っている。

 

・紛争が長引けば、それだけ犠牲者も出るし、環境破壊も進む

・エネルギー、穀物など市場への供給、輸送に支障をきたしている

・戦闘がエスカレートして大量破壊兵器が使われる可能性も否定できない

 

 ことから、停戦合意は出来ないものかというわけだ。先月末の「朝まで生テレビ」を始め、多くのニュース番組で停戦の可能性を論じる場面があった。

 

    

 

 今年日本はG7の議長国であり、国連の安保理の理事国にもなっている。だから国際社会に向けて、ウクライナ紛争停戦を呼び掛けるべきだとの意見が出た。

 

・ロシア、ウウライナのどちらが勝とうが、日々命が失われている

・何を措いてもまず停戦、それから領土や戦争犯罪の議論をすればいい

 

 というのが主張の骨子。昨年の2/24の国境まで、ロシア軍が退くなら停戦の可能性もあるかもしれない。しかしロシア軍は退かないし、ゼレンスキー政権もクリミアを奪還するまで闘うといっている。双方が同時に停戦に応じるシナリオは、ほとんどあり得ない。

 

 議論の中では「PKO部隊を両軍の間に入れて、両軍を引き離す」という施策(!?)も提案された。これには軍事・外交関係者も唖然としていた。安保理常任理事国ロシアが当事者だし、どの国がそんなに危険な目に遭うPKO軍を派遣できるというのだろうか。結局のところ、G7各国が結束して「ウクライナを負けさせないこと」をするしかない。

 

 「日本は平和ボケ」だと良く海外の人から言われます。それは軍事常識を議論することもはばかってきたからです。このような議論がやっと出来るようになったこと、一般市民が普通に視聴するようになったことで、少しは解消されていくでしょう。次の世代に期待していますよ。