Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ウクライナ復興がもたらすもの

 ドニプロ川にある巨大なダム<カホフカダム>が決壊して、流域で広範に洪水が起きている。1941年の独ソ戦のおりにも、この地区でソ連軍がダムを破壊し、ドイツ軍の侵攻を喰い止めようとした。ソ連市民数千人が犠牲になったともいう。誰がやったのか、現時点ではわからない。ウクライナ・ロシア共相手がやったと非難しているが、いずれの国もメリットよりデメリットの方が大きく、意図的にやったとは考えにくい。ロシア軍がウクライナの反撃に備えて仕掛けていた爆発物が、アクシデントで爆発してしまったというのが、一番納得できる仮説である。

 

 原因はともかく、結果は悲惨なものだ。ウクライナでは数十万人が飲料水に困っているし、流域の農業への影響は破壊的なものになるだろう。黒海経由の穀物輸送などにも困っている世界の穀倉ウクライナへの、さらなる打撃となっている。

 

    

 

 気の早い話だが、停戦(もしくは終戦)になった後のウクライナ復興はどうなるのだろう。破壊された社会インフラを復旧し、地雷その他の残留物を取り除き、産業を再構築する。それには長い時間と莫大な費用が必要になる。仮にウクライナ有利の停戦だとしても、ロシアからの賠償金も多くは望めない。いわゆる「西側」諸国も、天井知らずの支援が出来るわけもない。やはりウクライナ自身の稼ぐ力が必要だが、主力の農業復興にも時間が必要だ。

 

 戦争が終わった時点では、ウクライナに一杯あるものといえば、

 

・欧州有数の軍備、兵器

・戦闘力の高い歴戦の兵士

 

 である。手っ取り早い外貨稼ぎなら、傭兵部隊の派遣が分かりやすい。幸か不幸か、世界には内戦中の国も少なくないし、外国との軋轢を抱えている国はもっと多い。市場は潤沢にある。

 

 ウクライナ紛争が終わった時、世界各地の紛争が活性化してしまう可能性は高いですね。かといって延々ウクライナの地での戦闘が続くのも困ります。兵器等の供給も辞められません。西側諸国はどうすべきでしょうか?