Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

スーダン支援は可能なの?

 事実上の内戦に陥ったスーダンからの邦人救出は、負傷者ゼロで完遂した。自衛隊機による初めての救出劇は、上手くいったと言えるだろう。憲法論議の際に自衛隊憲法違反といっていた人たちは、今回のミッションは自衛隊以外の誰ができたというのだろうか?各国政府が在スーダン市民を事実上全て引き揚げたのは、それほど危険な状況だということだ。現にフランス人の車両が銃撃されたり、米国人には2人の犠牲者が出たりしている。

 

 さて、外国人はいいとして、スーダンの人達はどうなるのだろう。断続的に繰り返される内戦、南スーダンの分離独立、隣国チャドとのダルフール地区を巡る紛争で、国は疲弊しきっている。人口は4,800万人ほどだが、約2/3の国民が支援が必要だと言われる。その支援に資する資金が、国連では枯渇しているとの報道があった。

 

スーダン支援金、大幅不足 国連(時事通信) - Yahoo!ニュース

 

    

 

 支援金不足は問題なのだが、仮に資金が潤沢でも支援が届けられるのだろうか?現地で支援にあたっていた日本のNPOの人達も引き揚げざるを得ず、困っている人に直接届ける手段が激減している。

 

 識者の中には「支援が届かないと、大量の難民が流れ出る」と警鐘を鳴らす人もいる。すでに80万人ほどが難民として出国しようとしているらしい。これは相当な数だが、4,800万人の1.7%にすぎない。支援が必要な人は3,200万人もいるのだ。

 

 スーダン国内に支援の手が伸びないとすれば、隣国に支援して難民を受け入れてもらうことになる。しかしチャドや南スーダンとは上記の紛争の傷があって、上手くいかない。海路サウジアラビアへ行ける人は裕福な人が中心。であればナイルの下流エジプトか、上流のエチオピアということになる。

 

 岸田総理のエジプト訪問で、そんな話が出ていたら嬉しいなと思いました。ウクライナ同様悲劇ではありますが、外国からできることには限界があるわけです。