Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「静かな有事」に勇気をもって

 昨日までの3日間、別ブログで少子化問題を取り上げた3冊の書を紹介した。

 

◇新城彰の本棚

14日「未来の年表」

15日「未来の年表2」

16日「世界100年カレンダー」

 

 著者は全てジャーナリストの河合雅司氏。前の2冊は日本の少子化問題を、最後の書は世界中でも2100年には人口減少が始まるとの予測を示したものだ。彼は少子化(というより産む人が少なくなる少母化)の現状を示し、この「静かな有事」への対策を真剣に考えている。ただ、正直日本人の人口を増やす策は思いつかない。

 

 今年初めの「朝までナマTV」、2023年の日本はどうなるかというテーマで、1ダースの論客が持論を展開した。財政規律派の小林慶應教授が「アベノミクスの金融緩和、財政出動は痛み止め注射でしかなく、いつまでも打ち続けられない」と言えば、積極財政派の藤井京大教授が「痛みがなくなるまで打ち続けなくてはいけない」と応酬し、面白い議論になった

 

    

 

 日本の経済的凋落(失われた30年)は、不良債権処理のミスから生じたとの意見が大勢で、

 

・日本市場が低迷して、先が見えないから企業も個人も挑戦をしない

・若い人に福祉、教育の費用が廻らないので結婚も出来ない

・政治家が勇気をもってすべきことをしないので、凋落が止まらない

 

 との議論になった。若いコメンテータ(40歳以下)からは「子育てにかかる費用を倍増させると言いながら議論が進まない」と悲鳴に近い叫びが起きた。

 

 4時間にわたる番組中、上記のように面白い議論もあったのだが、何かが欠けていると感じた。ビデオ録画を消すときに「あ、誰も移民の話をしていない」と気づいた。欧米でも、ネイティブの人口は減り続けている。米国など典型だが、それをカバーしているのが移民。

 

 民間論客もタブー視しているテーマかもしれず、政治家に移民議論を求めるのは酷かもしれません。しかし政治家に勇気を求めるなら、この点もしっかり議論して欲しいと思いました。