Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

在東京の統合司令本部2027

 映画「トラ・トラ・トラ」の中に、近衛内閣の首脳会合で海軍大臣が「米国が太平洋艦隊司令部を西海岸からハワイに移した」と警告するシーンがある。日米関係が緊張する中、米政府が本気になって、

 

「日本ののど元に匕首を突き付けたようなもの」

 

 というわけ。それから80年余り、似たような事態が北太平洋で起きている。以前から、世界最強の米国第七艦隊は横須賀を基地にしている。しかし在日米軍は米国インド太平洋軍の指揮下にあり、司令部はハワイにある。その司令部を、2027年度をめどに東京に移すという案が浮上し、恐らくそうなると思われる。

 

 これに呼応して日本の防衛省でも、陸海空自衛隊の統合司令部を置くことが「新防衛3文書」に盛り込まれた。統合司令部を置くことは、まともな軍隊なら当然のこと。これまで日本の自衛隊は「闘わない平時の組織」だったから必要なかったものだが、これからはそうはいくまい。

 

    

 

 別ブログで「自衛隊最高幹部が語る~令和の国防」を紹介していて、その10の提言の中に統合司令部設置は含まれていた。

 

闘えるようにするには - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 米国の安全保障関係者の来日の多さは何度か紹介しているが、日本の同関係者のワシントンDC詣でも多いはず。そうやって準備をしての、今回の日米首脳会談だったと推測される。2027年までに米国のインド太平洋軍司令部と、日本の自衛隊の統合司令部が東京に置かれ、日常的に連携・交流するようになるだろう。

 

 その交流内容には、僕の関わっているサイバーセキュリティ関連のことがらも含まれるはず。そういえば日米連携でセキュリティ要員を育成するという提案にも、具体的なものが増えてきた。

 

 冒頭の近衛内閣のような会合が、中南海でも行われているのでしょうか?習大人がまさか「第二の真珠湾攻撃」とばかり、東京・横田・横須賀に先制核攻撃・・・なんてしないですよね。お願いだからやめてね。

 

*)写真は真珠湾の戦艦ミズーリアリゾナ記念館