Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

少子化対策にもうひとつ

 「COVID-19」騒ぎは、もともとその社会が抱えていた課題をあぶりだしたという。格差問題にしても貧困問題にしても外国人労働者問題にしても、隠されていたものがより早く顕在化したと言えよう。その中には「少子化問題」もある。「COVID-19」によって日本の少子化は18年早まったとする記事があった。すでに2019年に特称出生率は1.36まで減っていたし、2021年に向けては妊娠届け出数も結婚数も激減しているからだ。

 

 「自粛」で出会いも減っているし、結婚していても雇用不安や貧困化などで子供をもてないケースも多い。「COVID-19」騒ぎが収まっても、この傾向が改善するわけではない。「COVID-19」はあくまで問題を顕在化させただけだからだ。本質的な対策は「子ども庁」による、抜本的なものを待つしかなさそうだ。じゃあどうすればいいのかについては、先進国でほぼ唯一問題解消に向かっているフランスの例を別ブログで紹介している。

 

「子ども庁」へのヒント - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

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1)父親への産休義務化、育児休暇の推奨

2)無痛分娩の標準化

3)妊娠関係費用の全額補助

4)3歳未満保育の充実

5)3~6歳の幼年学校の整備

 

 が、この本には紹介されていた。大きくは厚生労働省文部科学省に分かれている政策を一元化し、幼保一体化程度でお茶を濁すのではなく「子ども庁」に十分な予算・人員を集めれば、これらのことは10年ほどで出来るのではないかと(専門外の僕は)期待してしまう。

 

 母親になる女性への大きな負荷や不利益、子どもを持つことによる経済的な負担、小学校入学以前の子どもに付きまとう問題・・・これらを社会全体で「子どもを産み育てる以上に重要なことは無い」との意識で支えてもらえれば、特称出生率は上がるとするフランス流の考え方は素晴らしいと思う。

 

 しかしよく考えてみると、もうひとつ問題があるような気がする。それは「この子どもは幸せになるのだろうか」という疑問を親が持たないようにする心理的な何かだ。格差や貧困が世代を超えて固定化したり、社会全体が沈滞していくようでは、それは難しい。やはり将来に明るい希望があって、明日はよくなる、少なくとも可能性や兆しが見えるようにしなくてはいけない。

 

 この最後のところは政府に頼るのではなく、産業界自身が主役ですよね。よろしくお願いしますよ。