Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

難しい時期のCOP27

 昨年のCOP26の時は、まだよかった。「COVID-19」禍で先進各国は国内経済を何とかしようと財政出動をしていたものの、国際的な人流は減って「飛び恥」と言う言葉も定着しつつあった。だから、石炭火力の全廃に向けた議論もできた。結局は膨大な人口を抱える中国・インドの抵抗で、目標の表現は「全廃⇒削減」へとダウンしたのだが。

 

 今開催中のCOP27は、より難しい環境下での議論だ。前回開催国の英国で政治的混乱が起きており、一時スナク新首相はエジプトに行けないのではとの情報も流れた。環境活動家のグレタちゃんは「COPは言い訳の場」として参加を拒否するし、各国で美術品などにジュースやペンキを吹きかける講義活動も盛んになっている。環境活動団体が道路交通を妨害したため、救急車で運ばれる人が(手遅れで)亡くなるという事件もあった。

 

    

 

 昨年からの大きな変動要因は、ロシアのウクライナ侵攻。戦争というのは、間違いなく膨大なCO2を吐き出す。究極の「エネルギーの無駄遣い」だろう。だからグレタちゃんには、是非プーチン先生に会いに行って「戦争やめなさい」と言ってほしかった。

 

 今年の開催国エジプトは、2011年「アラブの春」でムバラク政権は倒れたものの、その後の普通選挙ではムスリム同胞団が最大政党になり、2013年にはクーデターで強権政治体制に戻ってしまった。小池都知事は出身大学訪問ついでに・・・とおでかけになったようだが、いわゆる「西側民主国家」ではない。

 

 争点は発展途上国支援の在り方なのだそうだが、先進各国もエネルギー問題に悩み、物価高対策でお金が足りない。日本も例外ではない上に、急激な円安もマイナス材料だ。COP26は、一日期間を延長して合意文書をようやくまとめた。さて、COP27はどうなりますかね。国連安保理G20会合のように何も決められなかったとすると、存在意義が問われます。