年末も押し詰まった今週、日銀(黒田)さんがやってくれました。各国中央銀行がインフレ抑制のための利上げを続ける中で、日本銀行だけは「ゼロ金利」を頑なに守っていた。僕などは、ずっと円安誘導はしないでと言ってきたので、これは来年春の黒田総裁の任期一杯続くとすっかりあきらめていた。
しかし「長期金利はゼロにしたまま、短期の変動幅を現在の0.25%から0.5%に広げる」という発表に、市場は驚いた。いくら「これは利上げではない」と言ったところで、事実上の0.25%利上げとみんなが思う。
「ゼロコロナ」と時期を同じくして「ゼロ金利」は幕を閉じた。経済ニュースは一斉に、
・黒田ショック走る、日銀の緩和修正は出口に向けた市場混乱の始りか(ブルームバーグ)
・米国市況、日銀ショックで円急伸、一時130円半ば、株は反発(同)
・日銀が市場に屈した日(ウォールストリート・ジャーナル)
・日銀不意打ちに動揺、日経平均669円安、銀行株は急騰(日経)
と書き立てた。変動幅0.25%容認で、今年行った数兆円とも言われる為替介入以上の円高効果があったことになる。僕個人は秋に証券会社の甘言にのって、米ドル定期預金を行ったばかり。1ドルあたり15円分の損害を出してしまった。
でも(強がりではないが)どうせヘッジで買ったものなので、円高が進んでくれるのは歓迎。ほとんどの日本人は資産を円で持っていて、円高は資産の高騰を意味するのだから。今回の日銀ショックが「安い日本」を少しでも是正する起爆剤になってくれれば、上記の損害は痛手ではない。
でも気になることが一つ。事実上の0.25%利上げは、国債総額1,000兆円なので利払いを2.5兆円/年増やすことになります。これは消費税1%UP以上の支出増です。防衛費倍増、子供予算倍増などに充てるため、増税の声が聞かれる中での支出増はどうするつもりなのでしょうかね?