Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

"Cyber Power Index"のスタンス

 一昨日、日本のサイバーセキュリティ能力について「卑下せず、誇張せず」の姿勢で経団連が情報発信をしていることを紹介した。ところが、昨日紹介したイベントの打ち合わせでは「ハーバード大シンクタンクが、日本のサイバーセキュリティ能力を低く評価している」との発言も出た。調べてみると、

 

日本のサイバー能力は北朝鮮、韓国より下...米国に続く2位は?(ハーバード大シンクタンク)|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 

 に紹介されているレポートだった。リサーチをしたのは、同大ケネディ公共政策大学院ベルファーセンターの英国人たち。"Cyber Power Index 2022"というのがそれ。2020年から始まった国のランキングで、首位米国、2位中国・・・日本は30ヵ国中の16位に位置付けられていた。

 

    

 

 この指標は、国の防御力と攻撃力を合わせて評価しているから、攻撃力が低い(というかやりにくい)日本のランクは低く見積もられる。レポートの前文にあるように「政策立案者が、他国からの挑戦や脅威に対してより広く検討するためのもの」なので、正々堂々社会を守る国よりは、どんな手段を使っても目的を果たそうとする国が上位に来ることになる。

 

 驚いたのは「財務力」の指標、これは一般的な意味のカネではなく、サイバー攻撃等によってカネを稼ぐ能力のことだそうで、北朝鮮がダントツ1位になっていた。このレポートを読み込んだ人に聞くと、 

 

「米国人(特に政府関係者)が他国を見る時に有意義な指標で、日本を含む外国人がそのまま受け取っては誤解を招くもの」

 

 とのことだった。2020年に9位だった日本のランキングが落ちてきたといっても、それを嘆く必要は無さそうです。それとも日本を「どんな手段を使っても目的を果たす国」にしたいですか?