Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

睨みが利かなくなると

 ウズベキスタンサマルカンドで開催された<上海協力機構>の会合が終わった。中国、インドという14億人国が参加しているため、世界の人口に占める比率は重い。プーチン先生としては「西側何するものぞ、世界の半分は俺の味方」と言いたかったのだろうが、習大人にはつれなくされ、モディ首相には「今は戦争している時ではない」と叱られてしまった。トルコのエルドアン大統領も早期の停戦を求めたといい、孤立感と無力感が高まったような気もする。

 

 ウクライナ軍の反撃や、あまりにも情けないロシア軍の潰走を見て、肩を持とうという国(の政治指導者)は少ないだろう。ベラルーシ北朝鮮、ひょっとしてイランくらいか?習大人にしても、軍事支援や核兵器先制使用の了解など出来るはずもない。不良率2割とも言われる北朝鮮の砲弾を買うくらい困窮しているロシア軍を見て、ソ連ドクトリンを継承している人民解放軍の実力を見直すのに忙しいだろう。

 

    



 

 ロシア国内も含めて<プーチン下ろし>の気配も出てきたのだが、それ以前に困った事態も生まれている。ロシアの軍事力を背景にした「威光」で抑えられてきた周辺国が、勝手に紛争を始めているのだ。

 

 まず、ナゴルノカラバフ自治州を巡ってのアルメニア(ロシアが支援)とアゼルバイジャン(トルコが後ろ盾)紛争。アルメニア側は、100名以上の犠牲者が出たと発表している。次に中央アジアのいずれも旧ソ連構成国だった、キルギスタジキスタン国境でも衝突が起きた。重火器も投入されて犠牲者が出ているし、10万人以上が避難したという。

 

 今はロシアの一部だけれども、比較的高い自治権を持っているチェチェンの首長も、プーチン批判をはじめている。このままだと、ロシア自体も(旧ソ連のように)分裂に向かいかねない。睨みが利かなくなって地域が勝手を始めると、ユーラシア中央部全体に紛争が広がってしまうかもしれません。