「かつや」「からやま」などを運営するHD会社「アークランドサービス」の業績が好調だという。多くの外食チェーンが不安定な経営を強いられている中で、「マクドナルド」より安定していると日経の記事に出ていた。
牛丼チェーンなどで値上げが相次ぎ、代表的な「吉野家」の牛丼・並が426円になった。一時期280円だったことを思うと、かなりの値上げ。一方「かつや」のかつ丼・梅は今も539円、100円引きチケットは必ずくれるから実質439円。駅そばチェーンのかつ丼が安い時だって、450円はしたと思うから、破格なお値段と言えるだろう。
経営上の工夫はいろいろある。揚げ物という手のかかる商材を、店舗内の一カ所で集中的に揚げ、短い動線でカウンターやテーブルに運ぶレイアウトになっている。店員も日本人は少ない。お会計は自動入出金機をフル稼動している。オペレーションは整然としているが、これらの店舗はほとんどがフランチャイズだという。
定番メニューは「かつ丼・梅」なのだが、季節によってとか話題のメニューを開発するとかして、新しい定食などを頻繁に投入している。これらのオペレーションを練り上げ現場に実践させるのは、結構大変なことと思う。想像だが、新商品を注文している客で利益を出しているのではなかろうか?
僕がこの日注文したのは「ソースかつ丼・梅」539円なり。ちょっと変化球のつもりだが、お値段の方はちょっと控えめにした。いい客ではないかもしれない。「ソースかつ丼」というのは、古くは大正時代、早稲田近辺で登場したと言われている。ご飯の上にキャベツの千切りを布き、トンカツを乗せてウスターソースを掛けまわしたもの。
卵とじのかつ丼よりさっぱり風味がでるが、ウスターソースがご飯の味付けになるというのは、好みが分かれるかもしれない。「ソースかつ丼」は、早稲田で鳴らした名店「ヨーロッパ軒」が福井に移って、福井の名物になったと聞く。他に福島県の会津や群馬県の桐生のものも有名だ。これを定番の一つに加えているチェーンは他にあるのかどうか分からないが、僕が「ソースかつ丼」を食べるとすれば「かつや」に決まりだ。
今年もこのチェーンにはお世話になりますよ。よろしくお願いしますね。