Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

現実的政策への転換と支持率

 日本では自由民主党の総裁選挙が、議員だけではなく党員まで含めたフルスペックで行われることになった。現職の菅総理が立候補しないというのには驚いたが、これでまず総裁選、そして任期満了かそれに近い時期の総選挙という流れが見えてきた。総選挙は早くても10月になるだろう。それより前に「環境先進国」ドイツの総選挙が、今月行われる。長年続いた与党「保守連合」を中心としたメルケル政権の次を選ぶ、極めて重要な選挙だ。

 

 先進各国軒並み「COVID-19」感染拡大対策は国民に不評で、政権与党は支持率を下げている。それはドイツでも同じ。加えて初夏にはライン川流域で大規模な洪水が発生、多くの犠牲者が出た。これは他国の渇水・異常高温・豪雨・洪水などと同様、気候変動が原因と思われる。

 

 だからこそドイツでは環境問題に積極的な「同盟90/緑の党」が優勢になり、総選挙後は議席を減らすであろう「保守連合」と連立して、大きな発言権(ひょっとしたら首相ポストまで)を得るのではないかと見られていた。しかし、選挙を前にしてその支持率がジリ貧だという。

 

「欧州一の環境大国」ドイツで環境政党の"支持離れ"が進んでいる根本原因 バランス感覚の欠落を嫌気 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

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 国内に巨大な自動車産業を持ちながら、EVシフトを加速してエンジン回りの技術を持つ大勢の人や多くの企業を苦しめてでも、環境先進国になろうとしているドイツなのになぜ?と思った。

 

 この記事によると、さすがに政権も近くなると(無責任に)とんがったことばかりを言っていられなくなったのが、支持者離れを引き起こした原因だという。グレタちゃんの発言にプーチン先生が「世の中は複雑なんだと、誰か教えてやれ」と言ったのと同じことかもしれない。

 

 「同盟90/緑の党」は、ここが正念場だと思う。党是を変えることなく、あるいは変えたように見せることなく、現実的にできることから一歩一歩の姿勢に移れるか?これが政権に入って現実を変えられるかの境目になろう。

 

 翻って日本の総選挙、立憲民主党の枝野代表は「政権交代可能」と強がっているものの、支持率は「同盟90/緑の党」の20%余りに遠く及ばないひとケタ。まだとんがった公約で支持を集めるか、現実路線にするか。先日発表の政権構想本はあいまいな表現ばかりでした。選挙戦略が問われますね。