Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

受け皿になり切れないわけ

 もういつ総選挙があってもおかしくない時期であり、永田町の皆さんは目の色が変わってきている。官僚はよほどのことがない限り官僚だが、議員は落選すればただの人である。維新の会の馬場幹事長が立憲民主党を「日本に要らない」と言ったことから、両党間でバトルが始まっているし、先日の自民党本分の会合では財政規律を主張する執行部に、若手(選挙基盤がまだ不安定)から「規律などといわずに財政出動」との意見が続出して紛糾した。

 

 菅政権の支持率が「急落」との報道もあり、このままだともう一度政権交代かという声も聞こえる。普通そうなると与党内から、非主流派の議員が例えば「自民党をぶっ壊す」と叫んで倒閣運動するのだが、今回はそれもない。それは野党第一党立憲民主党の支持が伸びていないから。先ごろの補選3連敗も、与党支持者が与党にお灸をすえただけで、野党に寝返ったわけではないという政治評論家もいる。じゃあ、なぜ支持が伸びないのか?「悪夢の民主党政権」というキーワードが有権者の潜在意識にあることもあろうが、「政権糾弾」だけに走り政権を担うような気配が感じられないからだろう。

 

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 特徴的だったのが今回の「ワクチン大規模接種センターの予約システム」についての動き。自衛隊が用意したシステムは、各自治体の対象者管理システムと接続しておらず地域番号と接種番号、生年月日を入力すれば予約出来てしまう。チェック機能がないのは確かに問題だが、朝日・毎日の記者が不正予約を実際にやって「こんなにひどいぞ」と報道したのは目に余る。言外に「みんなでやって自衛隊を懲らしめよう」との意思もあったかあもしれない。

 

枝野氏「防衛省は意味不明」 朝日と毎日に抗議を批判 | 共同通信 (kiji.is)

 

 これに岸防衛大臣が抗議をしたところ、立憲民主党枝野代表は「防衛省の抗議は意味不明、欠陥を教えてもらってありがとうというべきだ」と言い放った。上記記事へのコメントが多数寄せられていて、ほとんどは枝野代表に否定的なもの。さらにそれに対してのOKとNG投票は、ほぼ9対1でOKが多い。これが立憲民主党の支持低迷を象徴している。

 

 大規模センターの予約システムは確かに拙速、指定された日程に間に合わせるにはチェック機能を入れる余裕はなかった。しかしもし自治体システムと繋ぐと言ったら「自衛隊には繋がせない」と、かのメディアさんは反対されたでしょうね。