熱海の春は早い、特に今年は３月初めにはエアコンの要らない朝を迎えることもあった。下旬には初夏のような陽気になっている。首都圏の緊急事態宣言が終わって、訪れる若い観光客の中には「Ｔシャツ・短パン」姿の人もいるくらいだ。そろそろマスクは暑苦しそうだ。
今のマンションの部屋に引っ越して、あしかけ15年になる。雪がちらつくことすら珍しく、明け方の気温が０度を下回らない環境に、僕ら夫婦も慣れてきた。さらに日差しは、たとえ冬でもかなり厳しい。加えて海面からの照り返しがあって、ちょっと南東に振っている僕らの部屋では、朝日とその照り返しで明け方から明るく、暖かい。
暖かい以上に暑いのは、ちょっとだけあるルーフバルコニー。かなり過酷な環境だが、家内はせっせとガーデニングをしてきた。ネギやアスパラのような食糧も獲れるし、観葉植物も育てた。ただ長く生き残るのは、どうしても熱帯・亜熱帯育ちのものだ。10余年前に那覇の「農連市場」で100円で買ったドラゴンフルーツの１枝が、今はかなりのスペースを占めるまでになっている。
春が来て、家内が「熱海雑草園」と名付けたガーデンに花が咲き始めた。最初の写真は「ボリジ」、花は食用にもなる。食べるのがもったいないくらいに、淡いブルーの花びらが可愛い。
こちらは正真正銘、食料としてのイチゴ。当家の畑を狙ってヒヨドリなどが襲来するので、金網をかぶせて防御してある。ヒヨドリはリビングの外のベランダにもよくやってきて、最初は家内も「かわいい～」と喜んでいた。しかしベランダの葉ネギを食べているところを見つけて以来、目の敵にして追い払っている。
最後の写真はストラレチア（極楽鳥花）。これも南国の花で極楽鳥の派手なトサカに似ていることから、その名が付けられたもの。これも沖縄ではよく見かけるが、内地では珍しい。
家内は根っからのガーデニング好き、一時期「サカタのタネ」の株主になっていたのもそれが理由の一つ。僕は投機の銘柄以外は、自分が使う会社の株を条件にして買うのだ。ホームセンターで腐葉土や肥料を買い、ルーフバルコニーに棚やミニフレームハウスを作ってくれる。そこで珍しい植物も収穫できるわけ。過酷な環境で育つ野菜や果物は、栄養があると言いますしね。ありがとうね。
