Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

あえて二兎を追うバイデン政権

 「2プラス2」は中国を名指しで非難し、バイデン政権の「中国は唯一の競争相手」とする政策を裏書きした。しかしほぼ同時に米国内ではバイデン大統領がABCのインタビューに応え、

 

・ロシアが2016年、2020年に米国大統領選挙に介入、民主党を害したのは許せない。

プーチン大統領の関与が強く疑われ、プーチン氏には代償を払わせる。

 

 とした上で、インタビュアーの「プーチン氏は殺人者か」との質問に「そう思う」と答えた。これを受けて、プーチン大統領は駐米ロシア大使を召還している。

 

ロシア、駐米大使を召還 プーチン大統領巡るバイデン氏発言で | ロイター (reuters.com)

 

 現状では、中国とロシアが緊密な連携をしているわけではない。むしろ長大な国境をはさんだ隣国で、相互に警戒相手と言ってもいい。中国を「唯一」と敵視しながらなぜロシアという「二兎目」を追うのか、それを陰でやるだけではなく大統領自ら公言する意味は何なのか、ちょっと理解に苦しむ。

 

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 ここからは僕のミステリー作家的な妄想であることをお断りして、いくつかの仮説があり得ると思う。

 

1)バイデン大統領本人が怒っている。

 選挙への(サイバー)介入で本当に困らされた。ただでは置かないと復讐心に燃えている。もしくはその想いが強すぎて冷静さを欠いてしまった。

 

2)国内の反ロシアの世論に配慮した。

 ナワリヌイ氏逮捕など反ロシア&プーチンの声が高まっている。シンクタンクなどは、今でもロシア研究予算が豊富で敵視しやすい傾向にある。

 

3)中国の状況に「曙光」が見えた。

 国進民退が鮮明になり、市場も暴落。習大人がカラ元気を出しても、できることは限られている。自然崩壊を待てばいいので、次の脅威はロシア。

 

4)ロシアから公表していないがひどい被害を受けた。

 思いついたのは Solarwinds の事件、ロシアに社会インフラのIoTを乗っ取られたもの。例えば、上水道の塩素濃度を変えるくらいのことはできたかも。

 

 米国政治の専門家によると、バイデン政権は中国人民14億人はもちろん、共産党員1億人弱も敵ではないと思っているよう。目標は習大人ひとりということだ。これをロシアにあてはめると、プーチン氏ひとりを排除すれば・・・ということだろう。

 

 仮説も含めて、どうなるかゆっくり見てみましょうね。