Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「コロナ禍」中の総選挙

 世界中で、明るい話題が少ない。加えて普通であれば大きな話題となっているはずの国際的な問題についての報道が少なく、その点も不安だ。

 

・サウジ、ロシア、米国シェール会社がからむ原油価格

・トルコ、ロシアもからんだシリア紛争

・ときどきロケットを撃ってくる半島の付け根の国

 

 今週には、この最後の件に深く関係する「総選挙」が韓国で行われる。「従北・親中・反日・嫌米」を貫く文大統領が任期半ばを過ぎ、一時期経済政策の失敗で支持率を下げたものの「コロナ禍」の危機によって支持が戻っている。

 

 ウォンが下落して経済的には苦しいはずなのだが、世界中が大混乱に陥っているので目立たなくなった。僕から見ればめちゃくちゃな政権運営なのだが、びっくりするほど支持率が高い。もしこの総選挙で与党が勝利すれば、文大統領はのこりの任期2年余りで、ドラスティックな「改革」をしてしまうような気がする。

 

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 ひとつには北朝鮮との融和だ。韓国と北朝鮮の経済規模は、公表されている数値では85対1くらいだという。これだけ違うと南北統一まではできまいが、朝鮮戦争は休戦から終戦になり、平和条約が結ばれるだろう。その後徐々に交流を深めるのだが、その結果GDP世界10位ほどの核兵器保有国家が誕生することになる。

 

 もうひとつはGSOMIAの破棄と在韓米軍の撤退だ。朝鮮戦争終戦すれば米軍が駐留する意味はない。むしろ邪魔なので追い出そうとするし、トランプ先生も(まだ大統領職にあればだが)「駐留経費削減」と国内に宣伝するだろう。

 

 最後に僕の絡んでいるデジタル経済分野では、韓国のサムスン等の先端的な企業が中国寄りになって、第二第三のHuawei問題が起きてしまうかもしれない。米国は世界最大の半導体企業TSMC(台湾)からHuaweiなどにチップを供給させない措置を取っている。韓国企業が中国寄りになることは、TSMCとは得意分野は違うとはいえハイテク分野での米中対立で中国側に有利に働くことは間違いがない。

 

 多少落ち着いたとはいえ「コロナ禍」の混乱が続く中で、文大統領が総選挙を強行するのは勝算があってのことだろうと思う。僕は正直大きな不安を持って、隣国の選挙結果を待っています。