先週「日米研究インスティテュート(USJI)最終シンポジウム」を視聴することができた。USJIはワシントンDCを中心に活動したシンクタンクで、日米連携を学界として研究・推進するために設立されたものである。日本の学界にある「日米研究機構」の米国出先拠点のようなものだったらしい。今回12年の活動に終止符を打つ記念のシンポジウムに、ちょっとした縁があって紹介してもらったものである。
・上智大学
・筑波大学
テーマは「日米関係をとりまくこれからの10年」だが、まず産業界(1名)、学界(3名)、官界(3名)の基調講演を聞いて、USJIの設立経緯・目的・活動内容などの概要を理解できた。ここでいう日米の研究連携というのは基本は政治学、加えて経済学のようだが、確かに場所がDCならそうなるだろう。
それは官の立場で講演した3名の元・前駐米大使の言葉からも、良く理解できた。面白かったのは、大使は常に「日米関係はかつてないほど良好である」というものだという元大使の言葉(笑)。これに続き3つのパネルディスカッションがあった。
1)今後の世界と日米関係
2)米中関係と日本の役割
3)ポストコロナ時代のポストUSJI加盟大学の教育の方向性
議論の中で特に興味を惹いたのは、
・米国の政府最新レポートには「新しい脅威・中国」の表記がある。対中強硬姿勢は明確だが、市民からの支持は不明。
・米ソ冷戦期に中国カードを使ったが、米中対立でインドカードを使えば、次の米国の対抗馬はインドになる。
・日本独自の外交も、TPPの成功例もあって可能である。米国は国内事情で、TPP復帰は民主党政権でも難しい。
・日本企業の対米直接投資残高は6,000億ドルを超え、他国を引き離して首位。これを新政権にアピールすべし。
という議論だった。しかし偉い先生たち、全然タイムスケジュールを守らずお話になりますね。