Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

核兵器禁止条約発効、その次は?

 先週、核兵器禁止条約の批准国・地域の数が50に達し、来年1/22に発効する運びになった。そのニュースが流れた日、NHK日曜討論に各党の政策責任者が参加していて、全政党が「発効はいいこと」と言うが、ニュアンスは微妙に違っていた。野党は「唯一の被爆国として、日本自身が批准していないことはおかしい」と政府与党を責めたて、与党は「核保有国が一切批准しておらず、発効しても実効性があるかどうか疑問」と応じた。メディアは、日米安保の関係で日本政府は批准できないのだろうと言っている。

 

 この条約は、核兵器に関する一切を禁止している。開発・実験・製造・保有・移譲・使用・使用するとの威嚇のすべてが、禁止される。世界はすでに、地球上の全人類を何十度も絶滅させるだけの核兵器保有していると言われている。米ソ冷戦も、核兵器を撃ち合い始めれば相互確実破壊(MAD)となるというプレッシャーが、終わらせたと言える。

 

 先日習大人が海兵隊の基地で「戦いに備えよ」と訓示したり、朝鮮戦争参戦70年式典で「米国の不敗神話を破った」と中国軍をほめ、台湾に接近する米国に「一つの中国を脅かす行為は許さん」と恫喝している。そんな状況では、核兵器止めましょうと核保有国が言う可能性は全くない。だから日本が批准しようがしまいが、この条約が効果をもたらすとは思えない。

 

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 実効ある核兵器廃絶を目指すなら、僕は一つの方法があると思う。それは防御法ではなく「攻撃」。核を含む近代兵器は、大なり小なりデジタル制御されている。もちろんインターネットに直結しているとは思えないが、種々のサイバー攻撃手法を用いて核兵器へのアクセスは不可能とは限らない。核兵器を多くのお金と人材を投入して保有しても、それが他国からのサイバー攻撃で乗っ取られたら最強兵器のはずが最悪の災難をもたらすことにならないか?そうなれば、核保有国は先を争って「核廃絶」に努めるだろう。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/04/22/060000

 

 僕はこの条約に反対はしないが、次の条約のことも考えるよう国際社会にお願いしたい。それは「サイバー空間の南極条約(軍事利用禁止)」。一昨年マクロン大統領が宣言した「Paris Call」の条約版だ。サイバー攻撃は、場合によっては核より危険なものだとご理解いただきたいです。