Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

SNSの影響力をどう見るか(後編)

 欧米の政府・政策に大きな影響を与えるまでに成長した巨大ITやSNS、当然日本でもその流れは来ているのだが、もう一つのIT大国である中国はどうだろうか?BtoCサービスにおいて、デジタル化の普及度は日本の比ではない。スマホ一つあれば日常生活に不自由はないまでに進化していて、逆にスマホなしでは普通の生活が出来ないほどだ。

 

 じゃあスマホ持ってない人は困るじゃないか、と思うのが日本人の問題点。中国人は、スマホ持たない変人はほっとけばいいし、持てないほど経済的に弱い人など考慮する必要がないという。現実としては浮浪者でさえ、スマホを持っているともいう。

 

 そんな中国で何が起きているかというと、あまり信用できる情報がない中で、新聞・TV局の廃業が多いという記事があった。廃業そのものは公開されたことなので、信用度の高い記事だと思われる。

 

中国で新聞・テレビの廃業が止まらない!時代にのまれるメディアの絶望 | 莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

 

 少なくとも34のメディアが、今年の1月を迎えることが出来なかったとこの記事は言う。もちろん従来型のメディアが苦境にあるのは日本も同じだが、その進展は上記のような国民性もあってずっと早く進行しているようだ。

 

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 昨年の1月にも20の新聞が休刊しているというから、従来型メディアはもう瀕死の状態なのだろう。市民はすでにSNS等のニューメディアから情報を受け取り、さらに自ら情報発信をしているのだ。

 

 ただそこに、中国という「強権国家」ゆえの問題は出てくる。習大人にシンパシーを持つオピニオンならいいのだが、敵対するものだったらどうだろう。人民解放軍100万人がインターネットを常時監視しているという噂もある国だし、問題発言があれば司直の手が伸びることもある。

 

 アンダーグラウンドで反政府的な主張をしても、「国家情報法」によって関連事業者は政府への情報提供を義務付けられている。いずれは当局に露見するだろう。しかしテクノロジは進歩する。次世代の中国SNSでは「裏情報交換」が可能になるかもしれない。そんな気配が見えたら、習政権は金融情報を集めたとして規制を考え始めた「アント」のように弾圧するかもしれない。SNSの恐ろしさは、習大人も知っているように思いますからね。