元プロ棋士だった桐谷広人さん、現役時代は正確な読みで「コンピュータ桐谷」と言われていた。引退後は多くの会社の株を買い、その値上がり益で優雅に暮らすつもりだったそうな。しかし市場が値崩れするという「読み違い」で生活が苦しくなった時、保有株式の優待で食いつなぐことができたと仰る。それ以降「株主優待名人」としてTV番組に引っ張りだこになり、書いた本も売れて一躍人気者になってしまった。
別に桐谷名人に触発されたわけでもないが、僕も株式取得については値上がり期待よりは優待狙いの銘柄の方が多い。優待狙いの銘柄選びで決めているルールは「自分がお世話になる会社に限る」ということ。例えば、赤青両方の日経航空会社の株も一時期持っていたが、優待割引券は繁忙期に役に立つだけなので２年ほど持っていて売ってしまった。もちろん優待券は金券ショップで換金できるのだが、自分で使わない優待券は持たないことにしているからだ。
この休日、やってきたのは藤沢の街。例によってここから茅ヶ崎や平塚のBook-offを巡るのだが、その前に寄るところが２ヵ所ある。ひとつはビックカメラ、熱海・東京間の定期券がない今では、一番近いビックのお店だ。財布に残った優待券が１枚、これでワインを買いたい。常設の高級ワイン半額コーナーで、スペインの白を見つけて購入。優待券とカードのポイントで代金を賄った。
もうひとつはボリュームランチ、朝ご飯を控えておいたのでお腹が空いている。Book-offの側にあった蕎麦を出す「吉野家」は潰れてしまい、いまは油そばの店になっている。そこでJRの線路を渡り小田急線側に出た。ここにはオリジナルっぽい「吉野家」が残っている。
今売り出し中なのは「牛すき鍋膳」で、美味しくてコスパがいいのは分かっているのだが、今日は若いころに気持ちを戻して「牛丼大盛」と行きたかった。あさり汁も付けてもらって「鍋膳」より高額になったけれども、後悔はしない。
しっかりパーティションをしたカウンターの中をお姉さんがきびきび走り回り、僕のお盆を運んで来てくれた。40歳前には毎朝のようにこのくらい食べていたよな･･･と感慨に耽りながらいただいた。いつものお味で、あさり汁もいい香り。支払いは優待券２枚と小銭で済ませました。桐谷名人を見習って、これからも優待生活楽しみますよ。ごちそうさま。
